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張学良(ちょうがくりょう)
1901(明治34).6.4〜2001(平成13).10.15
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日本軍によって爆殺された中国東北地方の軍閥の首領 張作霖の息子。
満州事変の勃発により、麾下の東北軍とともに、日本軍によって満州を追われる。
1936年12月、抗日より先に共産党を打つべきだと主張する、最高指導者
蒋介石を西安にて監禁、
説得する。(西安事変、兵諫ともいう)
これにより、共産党との共闘を含む、統一抗日戦線が実現され、日中戦争は中国軍にとって有利な
展開となるが、学良自身は事変後、蒋介石の手で軟禁生活を余儀なくされる。
1993年、54年間の長きに及ぶ軟禁を解かれ、妻とともにアメリカ(ハワイ)に移住。
中華人民共和国では、張学良に対し、中国の統一を実現し発展を押し進めた「千古の功臣」、「民族の
英雄」という高い評価が定着している。台湾でも、蒋介石、蒋経国(蒋介石の息子)総統の死後、張
学良90歳の誕生パーティが公に開かれ、事実上の名誉回復がなされている。
2001年10月15日、入院先のハワイの病院で死去。
注目理由
名前だけは知っていたが、正直、大した人物とは思っていなかった。
しかし、河本大作(張作霖爆殺事件の首謀者)や日本の参謀本部について書かれているものを読むうち、
彼の存在が非常に重要であったことがわかってきた。
西安事変についても、その時初めて知った。何より、半世紀以上に渡って監禁され続けてきたという
事実に驚愕!まさに、現代の「鉄仮面」。おいらの持っている、旺文社人名辞典では「事件後台湾に監禁
されたらしい。」としか書いて無く、歴史の闇に消えた人物として書かれている。
今なお、蒋介石やその息子蒋経国との関係や、何故殺さずに53年も監禁されていたのか(共謀者の
楊虎城は監禁後、蒋の手で暗殺されている。)等、謎も多く残る人物。
「私は家の仇と国難を併せ持つ者。抗日の点で人後に落ちるものではない。」という、彼の言葉に対して
は、日本人として返す言葉がない。(-_-)ウムー
「一つの中国」を主張する北京政府(中華人民共和国政府)に「国共合作」の象徴として、祭り上げら
れるのを嫌った台湾政府(中華民国政府)の政治的意向もあって、ついに故郷である満州の地を踏む
ことなく亡くなった。骨になっても、当分は帰ることは難しいであろうことを思うと、悲しい。(T^T)
参考文献
(1)張学良の昭和史最後の証言 NHK取材班、臼井勝美著 角川文庫
張学良が半世紀に渡る沈黙を破った歴史的なインタビューを記録したもの。
張作霖爆殺直後、どのようにして奉天まで戻ったのか、西安事変に至った動機は何なの
かなど、非常に重要な内容について語られている。ただし、西安事変についての詳細や
政治的な内容は、当局の思惑もあり深くふれていない。
学良が何より「中国の統一」を望んでいたということと、父、張作霖を非常に尊敬して
いたということがよくわかる。TVでは放送されなかったが、「日本は正式に中国に謝罪すべきだ」、
「戦犯である東条英機らを靖国神社に祭っているのはおかしい」との発言など、氏が真の意味で日本
を許してはいないという点は重要である。
(2)張学良はなぜ西安事変に走ったか 岸田五郎著 中公新書
もう、題名がそのまんまズバリ。(^^)
西安事変に至るまでと事変の経緯、事変後の東北軍の崩壊までを詳細に書き込んでいる。
写真が多数あり、西安事変の全体像把握するのには最適。部下の多くが、共産政権下で
活躍していることもわかる。非常に複雑かつ一触即発な状況の中、会談を上手くリードし
中国人民にとって最良の結果を導き出した、周恩来の交渉能力がすごい。お薦めの1冊。
(3)上海時代 (上、中、下) 松本重治著 中公新書
西安事変を世界にスクープした、当時、同盟通信上海支局長である著者の中国回想記。
世紀の大スクープであるが、日本人の著者が世界に報じたため、西安事変が当初日本軍
の謀略ではないかと疑われたのは、悲しいことである。
西安事変については、下巻に書かれているそうだが、まだ上巻が読み終わったばかり。
たどり着けるのは、何時になることやら。( -o-).O
(4)張学良と中国 松本一男著 サイマル出版会
なぜかブックOFFでよく見かける本。張学良に同情的な立場から書かれている本だが
切り口が甘い感じは否めない。上に上げた本ではあまり描かれていない、西安事件後の
監禁と流謫の生活の様子が描かれてあり興味深い。想像していたより、ずっと貧乏な生
活を強制されている。目的を持つことの出来ない人生を強制されることの無惨さが胸に
刺さる。
(5)張学良 松本一男著 中公文庫
(4)の著者による、張学良を主人公にした小説。著者の強い思い入れが感じられ、先に
書かれたにもかかわらず、感情移入度の高い良い本である。ただ分量が少ないこともあ
り、描かれているエピソードが絶対的に少ないので、(1)(2)の本との併読を進める。
でも、入手は困難だろうなぁ。(^^;
旧題は「悲劇の貴公子 張学良」だが、才能がありながら理想肌過ぎ、現実認識が希薄
な張学良を表すには、言い意味でも悪い意味でも周恩来の言った「ロマンティック」と言う言葉が
一番しっくりする気がする。
(6)赤い夕日の満州野が原に 相良俊輔著 光文社
張学良にとって「親と国の敵」である張作霖爆殺事件首謀者『河本大作』の唯一の伝記。
荒木貞夫ら陸軍若手幹部の圧力をうけ、犯罪行為を犯した河本らを、田中義一首相が処罰
出来なかったことが軍部の増長を招いた。橋本や石原らによる河本事件の焼き直しである
「満州事変」の勃発により、日中両国だけでなく、アジア全体を戦渦に巻き込んだことを
考えると、河本の責任は大きい。事件後は名目上は軍を離れたものの、3月事件にも宇垣
や小磯らメッセンジャーとして登場。満州国成立後は、国策会社の社長をしていたが、鮎川義介等財閥
関係者によって追われ、城野氏等と閻錫山の山西野戦軍に参加していた。山西軍の降服後、共産党軍の
捕虜となり、収容所で死亡。「カステラとカルピスが食べたい」が最後の言葉とか・・。
(7)目撃者が語る昭和史−第3巻満州事変 猪瀬直樹監修 平塚柾緒編集 新人物往来社
小日向白郎の奉天城襲撃未遂事件だけでなく、当時の満州国情報が満載の良書。
河本大作の親族による、河本回想記が載っている。「人間性はけして悪くない人物が、
精一杯誠実にやってることでも、考えのスタート時点が間違っていると、想像を
絶する悲劇をもたらすことがある」という良い例。これは、河本だけでなく張作霖
爆殺時に実際に起爆スイッチを押した『東宮鉄夫』についても言える。彼は除隊後、
土地を持たない貧農に成功の機会を与えるべく、満蒙開拓団を組織して満州への移住を推進したが、
中国側から見ると国家規模の土地泥棒(=侵略)に他ならず、終戦時に虐殺や残留孤児に代表される
余りにも悲惨な結果をもたらした。
(8)闘神−伊達順之助伝 胡桃沢耕史著
実質的には警備隊の隊長であるが、日本人馬賊の首領として小日向白郎と並び称される
事の多い人物。彼は河本より先に張作霖を暗殺しようとして失敗。同志は張暗殺用の爆
弾で爆死している。このことを見ても、当時多くの日本人が満州を手に入れるためには
張作霖を取り除く(殺す)必要があると思っていたことがわかる。
(9)張作霖 白雲荘主人著 中公文庫
張作霖爆殺直後にでた、彼の伝記。基本的には歴史上稀な成功者として書かれており、
当時の人が張作霖をどう見ていたかがよくわかる。でもまだ、途中までしか読んで
無いッス。(^^;
(10)張家三代の興亡 古野直也著 芙蓉書房出版
1999年11月初版なので現在のところ最新の張学良関係書物。ハワイでの学良氏との
インタビューも含む。内容は面白そうだが、これもまだ読んでません。(^^))てへっ
(11)馬賊と女将軍 朽木寒三著 徳間書店 ![]()
馬賊帰順組織の大立て者で韓大夫とも呼ばれる中島成子の前半生を描いた、著者の馬賊
もの三作目。学生だった彼女は張作霖の政治顧問「町野竹馬」から、張学良家の家庭教師
として送り込まれる。師と仰いだ「郭松齢」の裏切りの直後、父も存命であり、果たすべ
き役割も将来への展望ももてず、社交と阿片に耽溺している若き張学良を見ることが出来る。
第三夫人として中島成子に求婚した学良の、硬軟織り交ぜた、アプローチが楽しい。(^^)
関連人物
・張作霖 ・蒋介石 ・周恩来 ・河本大作 ・小日向白郎