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月光叢書01 竹下洋一歌集 月光遺文 解説 ここ過ぎて悲しみの市 福島泰樹 写真・造本装幀 間村俊一 定価:2000円+税 2000年1月20日発行 株式会社 洋々社 購入希望の方は、お近くの書店か直接著者宛にメールでお申し込み下さい。 Yahoo! ブックスショッピング |
| 明け方のさざめきの中生まれたるみどり児よとほき一樹のかげり アケガタノ サザメキノナカ ウマレタル ミドリゴヨトオキ イチジュノカゲリ 飲食も後の便利も媾合も寒々と雨に濡れる桜葉 オンジキモ ノチノベンリモ コウゴウモ サムザムトアメニ ヌレルハザクラ 天窓を誰か覗きぬ千切られて鉄の鉗子に挟まれながら テンマドヲ タレカノゾキヌ チギラレテ テツノカンシニ ハサマレナガラ ここ過ぎて歎きの街へ地下鉄に神の兵士が舞ひ降りる朝 ココスギテ ナゲキノマチヘ チカテツニ カミノヘイシガ マイオリルアサ 雲湧き出づる国のまほらば果てもせず揺らぎつつ夏富士は黒き クモワキイズル クニノマホラバ ハテモセズ ユラギツツ ナツフジハクロキ まとひつくナーシャの首を絞めながら死なないでもう生きないで猫 マトイツク ナーシャノクビヲ シメナガラ シナナイデ モウイキナイデネコ 物は皆眠りに就きて惑星の遠い光芒 風を待つ種子 モノハミナ ネムリニツキテ ワクセイノ トオイコウボウ カゼヲマツシュシ 方舟に乗れぬわれらに蒲公英の種子ばかり飛ぶ野を行きにけり ハコブネニ ノレヌワレラニ タンポポノ シュシバカリトブ ノヲユキニケリ 死後の未明を渡る黒鳥液づけの私の肝臓を見せてあげやう シゴノミメイヲ ワタルコクチョウ エキヅケノ ワタシノキモヲ ミセテアガヨウ ふしだらといはれ淋しい肉叢を白磁のごとく慰めていた フシダラト イワレサビシイ シシムラヲ ハクジノゴトク ナグサメテイタ 曼珠沙華一斉に揺れ揺れ止まず生まれしことも偶さかなりき マンジュジャゲ イッセイニユレ ユレヤマズ ウマレシコトモ タマサカナリキ 幾度も殺めしはずを幾度も甦り来て腕に眠る イクタビモ アヤメシハズヲ イクタビモ ヨミガエリキテ カイナニネムル 雨多き夏過ぎゆけり地に落ちてなほはぜゐたる線香花火 アメオオキ ナツスギユケリ チニオチテ ナオハゼイタル センコウハナビ 立ち飲みは升に二杯と決めおきて屋台に雨の上がるを待てり タチノミハ マスニニハイトキメオキテ ヤタイニアメノ アガルヲマテリ われのみが知りて語らぬことどもの太々として冬の銀河は ワレノミガ シリテカタラヌ コトドモノ フトブトトシテ フユノギンガハ 囀りの不意に起こりし暁に眠れぬ夜も果てぬと知りき サエズリノ フイニオコリシ アカツキニ ネムレヌヨルモ ハテヌトシリキ |
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| ●歌集評 福島泰樹 東京新聞(2000年1月16日 日曜版) 森本 平 「短歌往来」(2000年6月号)ながらみ書房 加藤英彦 「短歌朝日」(2000年5、6月号)朝日新聞社 梨田 鏡 「短歌人」(2000年5月号)短歌人会 小川太郎 「短歌」(2000年8月号)角川書店 岡口茂子 「闇」(2000年秋季60号) 岡部隆志 「歌誌 月光」(2000年3月号) 高山雅夫 「歌誌 月光」(2000年7、8月号) 黒田和美 「歌誌 月光」(2000年7月号) 永浜郁子 「歌誌 月光」(2000年8月号) 中田 實 「歌誌 月光」 (2000年8月号) |
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