坂 村 真  民  の  世  界

よ う こ そ タ ン ポ ポ 堂 ヘ(最終更新2004.12.25)

   ( 愛媛県長浜町今坊・クヌギ林のやまがら:16.12.23撮影 )

 

1.鳩  寿  第 10 号 2. タ ン ポ ポ 堂 か ら 
3.朴庵(ほうあん)例会・終了のお知らせ 4.坂村真民全著作一覧 
5.詩国バックナンバー 6.タンポポ堂ライブラリー(長浜町今坊のやまがら)
7.作成者からのご挨拶 8.坂村真民関連HPリンク集
9.メッセージボード  

     あなたは  人目の来訪者です。 


坂村真民さんの略歴

明治42年1月6日  熊本県に生まれる。8歳の時に、父親

の急逝によりどん底の生活に落ちる。5人兄弟の長男とし

て母親を助け、幾多の困難と立ち向かう。昭和6年 神宮皇

学館(現皇學館大學)を卒業。25歳の時、朝鮮にて教職につ

き、36歳全州師範学校勤務中に終戦を迎える。昭和21年

から愛媛県で高校の国語教師を勤め、65歳で退職、以後詩

作に専念する。始めは短歌を志し、昭和12年『与謝野寛

評伝』を著している。四国に移住後,一遍上人の信仰に随

順して仏教精神を基調とした詩の創作に転じる。昭和37年、

月刊詩誌「詩国」を創刊、16年3月からは「鳩寿」と改題し、

以後毎月、一回も休むことなく発刊し1200部を無償で配布

 している。また詩の愛好者によって建てられる真民詩碑は

日本全国47都道府県に分布し、その数は現在,海外の

32基と合わせると約680基となる。         

主な著書は、4.「坂村真民全著作一覧」に載せてます。

(愛媛県県民文化会館にて(16.2.1撮影)

                                                                


 鳩  寿  第 10  平成 17 年 1 月 1 日 発 行
             
 鳥になります


こんど生れたら
鳥になります
なぜなら
鳥には
国境が
ないからです
人間では
とてもできないから
鳥になります
今年は酉歳(とりどし)
しんみんよ
しっかりしろと
新年に
誓いました
 
マザー・ツリーのように

九十六歳になった
わたしの願いは
いつまでも
美しい心でいたい
白神山地の
マザー・ツリー(母なる木)のように
ああ
愛に輝く
詩人であれ

  愛の力

飛び出して行った鳥を
呼び戻すのは
不可能と言う人もいるが
妻は呼び戻した
夕暮れせまる空に向かって
鳥の名を呼ぶ
妻の声よ
この人は
わたしの知らぬ
愛の力を持っている
いま日本は
この大切なものを
失おうとしている



   宗教と信仰

宗教を持つが故に
戦争が起きる
もう宗教はいらぬ
信仰だけでよい
たとえば
旅烏(たびがらす)というのがいるが
彼等は人間の持たない
闇(やみ)を知り
地球の片隅に住んでいる
ことしはとり歳
いろいろの鳥たちと
語り会いたい
楽しい一年である

 
 

                

                後          記

  第九回目の酉歳を迎えます。まったく感慨無量です。
  それはいったい何故でしょうか。
  一番大きな原因は、森信三先生にお会いしたからです。先生の唱える「人生二度なし」
 この六字を丹田(たんでん)に打ち込んだからでした。
  わたしは詩人になるために、詩を書いているのではありません。自分というのを作りあげ
 るため詩を書いています。そこの処が芭蕉とつながっています。わたくしが芭蕉を尊敬する
 のは、そこにあります。
  年が明ければ九十六歳になります。乾皮症もひどい病気ですが、内臓ではないので、
 生き耐えています。
  九十歳を越えてから、仏教もキリスト教もわたしの信仰とは別になりました。これも戦争に
 なりゆくからです。
  わたしの信仰は生きることです。
  宇宙は真善美の結晶体です。とり年生れの私には、二千五年は一生のうちで一番意義の
 深い年だと思っています。
  小さいことでもいい。
  世のため、苦しむ人のため、何かをすることです。わたしが長生きしたいと念ずるのも、
 拙ない詩でもいい、お役に立つ詩を一編でも多く残したいためです。「鳩寿」(きゅうじゆ)
 は、そのため一号でも多く刊行しようと思います。御支援下さい。
  終りに当って、この号を年賀と致します。よい年であるよう、皆さんの御健勝と御多幸とを
 念じてやみません。

          

             

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