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タカノハダイ(高知県で言うところの”ヒダリマキ”) 2002.4.9日記より
 
たった今、”松岡修造の 食いしん坊 万歳!”をやっていた。

今回は静岡県下田市からで、料理は”タカッパ(タカノハダイ)のオンボロ焼き”という焼き魚モノであった。

”タカノハダイ”。

高知県では”ヒダリマキ”と呼ばれているこのサカナは僕にとって、忘れようにも忘れられない、大変思い出深いサカナである。

高知大学にいた頃、岡田サン、久保っちと宇佐漁港にチヌを釣りに行った。
待てど暮らせどチヌはさっぱり釣れず、キレた僕は、釣具屋で”チヌドリップ”なる秘密兵器を購入してきた。
これは強烈な匂いでチヌを呼び集める、いわば撒き餌の一種で、大きな期待を胸に、僕は”チヌドリップ”を海に撒き散らした。

しばらくすると、海にはこんなにも魚がいたのかというほど、わらわらと魚どもが集まってきた。
ほどなく岡田サンのサオにアタリが来る。
釣り上げられた魚には、その名前の由来にもなっている黒い帯状の模様が、まさに”ヒダリマキ”にくろぐろと描かれている。
当時の僕らは、その魚が何であるのか分からず、さっきの釣具屋で食えるか食えないかをたずねた。

釣具屋のオッサン曰く、

「食える」

という返事だったので、僕らはその魚を家に持って帰り、塩焼きにした。

食う。

…クサい。めちゃめちゃクサい。
サカナというものの、クサみだけを集めて、サカナのかたちにこしらえたのか、というぐらい、サカナ臭さのかたまりであった。
本当に本当にクサくて、僕と久保っちはその後ハシをつけようとはしなかった。
岡田サンは「食えんことはないんじゃない?」と言ったが、その後ハシはつけなかった。
僕らの調理法が悪かったのではない。火が通っていなかったわけでもない。

その証拠に後日、本屋で釣り魚事典を見ていたら、タカノハダイが載っていて、そのおいしさを示す表示は、最高5ツ星中、なんと2ツ星であった。
アジやイワシ、ヒラメなど、普通に魚屋で売っている魚は皆、当然のように5ツ星である。
ちなみに、星なしは”毒があります、食べたら死にます”、1ツ星は”毒はありませんが食えません(ヒトデ、ウミウシ、など)”という意味であろう分類になっていた。
つまり、2ツ星というのは、”食おうと思えば食えますが、とてもまずいので、食わないほうがよいでしょう”という意味かと思われる。
さらにその下に、”この魚は臭みが強いので、味噌漬などにした後、焼いて食べましょう”みたいなことが書いてあった。

だから、松岡修造も”タカッパのオンボロ焼き”を食べて、「白身がプリプリしてます…」とか「脂がのってますねえ…」とは言ったが、ひとことも「うまい」とか「おいしい」とかは言わなかった。

…クサかったに違いない。

↓(ちなみにヒダリマキの画像)

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