『キラー・ストリート』勝手にライナー・ノーツ
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1.「からっぽのブルース」
しびれるイントロです。ライナーには「仮タイトルがなぜか『CSN&Y』だった」とあります。なるほどのイントロです。「♪サザン・メーン」って感じ。息子は「オハイオ」の雰囲気と言いましたが。
初めて聴いたときは、日本語で歌が始まったとき、違和感を感じました。でも何回か聴いているうち、慣れてきました。この曲が1発目ということは『キラーストリート』が、ロックのアルバムであるという宣言だと私は受け止めました。
2.「セイシェル〜海の聖者〜」
Cメロなのか、サビなのか、よくわかりませんが、私は、第3段落(?)の「♪その優雅なAqua-baiser」の部分を聴くとゾクッとします。そして「♪賢き水夫の頭上に〜」の部分で、ポワ〜ンとなります。結果、このアルバムのなかで一番好きかもしれない。2曲目でこんなになっちゃってていいのかと思うほど好きです。
3.「彩 〜Aja〜」
PVで幸せそうに歌う桑ピョンの雰囲気が好きで、前から好きだった曲。シングルで出た頃は、ちょうど息子のたび重なる愚行に呆れていたんだけれど、歌詞中の「ありのままの僕を責めないで」を聴いて、確かにそうだな、ありのままの姿を責められたら辛いよなと、方向転換できたんでした。ライナーを読むと「歌詞は亡き父に捧ぐ」とあったので、そのことをアタマに置いて聴き直してみたら、涙が出てきちゃいました。
4.JUMP
スティービー・ワンダーの「迷信」のパクリみたいな曲です。誰か、止める奴はいなかったのかと思うほど似てる味付けになってます。それでひとしきり楽しんだあと、歌詞カードを見ながら聴くと、そういうパロディチックなところが完全に消えてしまいました。クラインの壺みたいなものでしょうか。なかなか筋の通った応援ソングです。ひょっとしたらダサイと言えなくもない。でも私は、「笑顔でSwitch on」、「心のSwitch on」が何より大事と、このフレーズが大好きになりました。
5.「夢と魔法の国」
ライナーには、「ニール・ヤング&クレイジー・ホース」のイメージといったようなことが書かれているけれど、私はツェッペリンを感じてしまう曲。『ROCK AND ROLL HERO』の「或る日路上で」みたいな感じで、ロックサウンドに臨場感のある歌詞がうまく乗ってる曲。だからかな、何となくソロ用に作ったように聞こえてくる曲。
6.「神の島遙か国」
テレビのCMでサビだけ聴いていたときには、ふーん…って感じだったけど、ROCK IN JAPANのライブをテレビで見て大好きになっちゃった曲。黒いストラトでコード弾きする桑ピョンに萌え〜です。CMやPVでは砂浜でアコースティックギターを抱えて歌っているけど、そんな音、入ってる?
7.「涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE~」
この曲も、シングルではふーん…だったのに、アルバムで聴いているうち「いいなぁ」と思うようになりました。「曲と曲の間の秒数にまでこだわった」というのだから、曲順にもたぶんこだわりはあったはずで、しかも「シングルとは違うバージョンとなっている」というのですから、魅力再発見の楽しみも多いアルバムでありやす。
8.「山はありし日のまま」
原坊がヴォーカルの唱歌みたいな曲。私的にはよくわかりません。
9.「ロックンロール・スーパーマン 〜Rock'n Roll Superman〜」
ちょっと「祭りのあと」に雰囲気が似てるような気がするので、この曲もsoloっぽく感じます。歌詞を読みながら聴いていると、息子のイメージと重なります。
10.「BOHBO NO.5」
自慢じゃないけど私、実はレゲエ・ダンスが踊れるのです。身体が固いので無茶なことはできませんが、腰は上手に動かせるのです。元々、そういうセクシー系ダンスが好きで、20代の時にはジャズ・ダンスのレッスンも受けてたことがありまして、腰で8の字を書きながら前に進む練習とかしてたのです。ただ、人前ではできません。体型が変わってしまったので、上手にできればできるほど、グロテスクになってしまうのです。だからカラオケで歌うときには、中途半端に身体を揺すって歌うのですが、そうするとこの曲、いまいち盛り上がりません。そういう曲です。
11.「殺しの接吻〜Kiss Me Good-Bye~
急に桑ピョンの生声がせまってくるような曲なので、ヘッドフォンで聴いていたりすると、ちょっとビックリします。そうか、アルバムだからこういうパターンも入ってくるのよね。
12.「LONELY WOMAN」
ライナーノーツには、「アルバムの中で私は一番好きかもしれない」とあって、「へ?これが?」と思ってしまうような曲。ジャッ、ジャ、パファラン、ジャッ、ジャーとかって聞こえるバックのギターに胸がキュッとなる曲です。もちろん桑ピョンのストラトですね。たぶんあの、黒いやつでしょう。
13.「キラーストリート」
インストの曲です。我が家的には「なんかマリオネットみたい」で、「うんうん」の曲です。あくまで「…みたい」という程度ですが。
ライナーには、「エンリオ・モリコーネやニーノ・ロータの音楽の世界観」とあります。エンリオ・モリコーネと言えば、最近小泉さんの選曲によるチャリティCDがこのキラーストリートと同じ日に発売されました。そしてニーノ・ロータと言えば、中学生だった私の誕生日、父が連れて行ってくれたコンサートを思い出します。「太陽がいっぱい」とか「ロミオとジュリエット」とか、私はそういうレコードを繰り返し聞いてはエレクトーンで弾いてみる、そんな女の子でもあったのです。今回、そこをおさえてくれたのには感動です。
14.「夢に消えたジュリア」
かつてのGSのパロディみたいな曲という位置づけで、「あぁそうですか」って感じだった曲だったのが、インスト曲「キラーストリート」の後、ドラマチックに始まることで、とっても聴き応えのある曲になったという感じ。「昔の『夜のヒットスタジオ』の雰囲気をサザンで再現」ということで、34人のフルバンドは、サザン史上最高の人数なのだそう。ニューアルバムが2枚組で、この曲をはじめ過去のシングルで出た曲が半分くらいを占めると知ったときは、シングル・コレクションと新曲の2枚組なんて、「イヤな売り方するよな」とちょっと思った時もあったんですけれど、それについては、本当にごめんなさい。シングル曲も含めて構成された、きわめて完成度の高い2枚組だと思います。
15.「限りなき永遠(とわ)の愛」
曲を聴いているだけのときは、そうも感じなかったけれど、歌詞を読みながら聴くとモロ、ジョンの曲。そういえば、きょうはジョンの誕生日。生きていたら65歳。私のパパの誕生日がジョージ・ハリソンと一緒の日だったことも思い出しましたよ。
1.「ごめんよ僕が馬鹿だった」
ライナーに「メンバーと2泊3日の合宿を行なうために作られた曲」とあるのが不思議。普通なら「この曲を作るために行なわれた合宿」でしょ。でも、他の部分を読んでみても、雑誌インタビューを読んでも、確かにその「合宿」は、キラーストリートの出発点だったみたいで、「合宿する」が目的で、曲作りはその手段みたいに書かれているから、あってるのか。歌詞中の「My belle」を「マーァベーゥ」と発音しているのがかわいいですね。「Michelle」です。こんなふうに歌われちゃうと「ごめんて言うたら済むと思て!」なんてセリフ、引っ込んじゃいます。
2.「八月のセレナーデ」
今のところ、アルバム中、いちばん影の薄い曲です。でもこういう曲が後になって、すごーく好きな曲になるってこともよくあって、そういう予感のする曲でもあります。例えば、「歌詞は亡き母を思って書いた物」なーんて後日談が入ったりするとね。ためしに、そう思って聴いてごらんな。グッとくるから。
3.「DOLL」
このところ、家で音楽を聴くときは、iMACのiTuneで聴くことが多いんです。本当はiPodにタイムドメイン・ミニをつないで聴きたいんだけど、iPodが無いからできない。いいなぁ、ほしいなぁ、20GBくらいのやつ。でも、私のMacは10GBしかないから、20GBなんて来たら、すねて動かなくなっちゃうかも。Macってそういう奴だからなぁ。で、iTuneは、チェックが入っていない曲は飛ばしてくれるんですね。だから、この「DOLL」は、以前からHDDに入っていながらずっと聴いていませんでした。が、これもアルバムのなかでは、いいポジションについていて、はずせない曲になっています。
4.「別離(わかれ)」
歌詞の内容は切なく重いけど、スピード感のある曲で、悲壮感はぜんぜん。そんなことより、「初めて正々堂々とセリフを、歌中に挿入してみた」というのが大事。「身も心もすべてずぶ濡れさ」ってのがミソ。こういう、詞と曲がバラバラさ、って感じの曲、なんか痛快で好きです。
5.「愛と欲望の日々」
カラオケで歌うなら、「BOHBO No.5」よりずっと盛り上がります。覚えやすくてノリのいい踊りもつければバッチリ。この曲のせいで「大奥」にもはまってしまってたんでしたっけ。今、やってる「大奥」は、椎名林檎の東京事変の曲ですよね。まだ聴いてませんが、サザンから椎名林檎へ繋げるというのは、アリですね。
6.「Mr.ブラック・ジャック 〜裸の王様〜」
サザンのアルバムの名脇役、政治風刺物。息子が「拉致被害者の会の人たちがみんなで歌ったらどうだろうか」というようなことを言っていました。練習が大変かもしれませんけれど。
7.「君こそスターだ」
「アテネオリンピック日本代表応援がテーマ」ったって、あーた。いきなり「稲村ヶ崎は今日も雨」ではじまるんですもんね。全体的に、詞に流れているのは未練ったらしいフレーズばっか。その中から、オリンピックの応援に使えそうな部分を抜いて、そこだけ流して雰囲気だけは盛り上がりましたみたいな。この曲に限らず、桑ピョンの詞は1ブロックの中で何となく成立すればOKって感じの曲、けっこうありますね。そこに粋だったり、切なさをそそったりするフレーズがあればクローズアップされて「詞がいい!」となる桑田マジック。プロポーズの曲なんだか、別れの曲なんだか、過去の話か、今の話か、よくわからないけど、言葉の使い方で、なんか素敵な曲に思えるのよね。フレーズ作詞術とでも呼びましょうか。
8.「リボンの騎士」
原坊がヴォーカルの曲。この曲だけじゃなく、ライナーを読むと、すごく力を入れて書かれているのが、レコーディング・メンバーへの高い評価と感謝。「よかったね、よしよし、もう、わかったから」とアタマなぜなぜしてあげたくなるくらい。原坊へのリスペクトもいっぱい。私は、サザンの曲の中より、「いそしぎ」を歌ったり、クラプトンの曲をギター弾きながら歌ったり、悔しいことに「エンドレス・ラブ」を桑ピョンとデュエットしたときの方が彼女のすごさを強く感じます。それを思うと、この曲は原坊ヴォーカルのサザン曲としてとっても魅力的。「私の濡れた秘部に挿入(い)れて」だってさ。
9.「愛と死の輪舞(ロンド)」
桑ピョンのヴォーカルが私の好みの曲。ライブで歌うところを見たいなーと思う曲。そして、それとは別に、気持ちが惹かれるのが、歌詞に散らばっているフランス、デカダンス。ライナーには「『フェリーニのローマ』のような、ああいう意味のよくわからない映画を見て」とあるけど、へー、そういうのも見てるんだと、なかなか侮れない奴ですね。”レッセフィール”なんて言葉が使われていると、別の意味でちょっとふーんと思っちゃう。
10.「恋人は南風」
私にとっては、サザンのこういう曲は箸休め的。ショッピング・センターで買い物中にかかったりすると、「あ、サザンだ」と思うけど、品物選びに夢中になって、いつのまにか、曲が終わっていても気づかないみたいな。でも、決して嫌いじゃない曲です。
11.「恋するレスポール」
で、どうも私はギブソン系とフェンダー系の音を逆にイメージしていたような気がしていまして。私がストラトだと思っていたのは、レスポールかも。ロックバンドKISSのギターサウンドもストラトだと思っていたけど、息子が「KISSってレスポールのイメージがあるけど」と言われ、そういえばエースが持っていたのはレスポールだったよねと思ったり。小池栄子が登場する「涙の海で抱かれたい」のPVでは、ずっとレスポールを持って歌ってるのに、スライド・ギターの間奏のところだけ、白いストラトにギターが変わってたりしたけど、てことはどうなんだろう。ともかく、この曲のイントロは私にとってKISSであって、これがレスポールなのね。
12.「雨上がりにもう一度キスをして」
ずっとアルバムを聴いてきて、ここらへんでこんな雰囲気の曲がほしいなーという感じにピッタリの曲。ショッピングセンターで、この曲のインスト・バージョンがかかっていたとき、買い物しながら「あ、この曲、知ってる。何だっけ」と口ずさんでいたら、サビにきて「あ、サザンじゃん!」と愕然としたことがある曲、なんだけど、この曲も決して嫌いではないのです。
13.「The Track for the Japanese Typical Foods called "Karaage"&"Soba"〜キラーストリート(Reprise)」
「『丸屋』カラアゲ 美味でタレOK!!」と歌うおふざけソングだけど、とっても渋い。身を委ねて踊りたくなるような曲でもあります。ドラムの弘さんはチキンがダメなわけね。人間が5〜6人集まると、必ず1人か2人、「私、トリ、だめなの」って人がいますが、そういう人がいると私は「えー、そうなの? こんなにおいしいのに」とか言いながら、その人の分をいただく役を担います。
14.「FRIEND」
8分以上ある大作です。ちょっと私にはきつい曲。ミュージカルのために書き下ろされた曲だから、シチュエーションが変わればまた違うのかもしれないけど、チェックははずしています。ごめんなさい。
15.「ひき潮〜Edd Tide〜」
アルバムのラストはもの悲しいバラード。そういうパターンはけっこうありますね。パターンといっても7年ぶりなんだから、たまたまといえばたまたまなのでしょう。ライナーには8分の6拍子のうたを入れたかったが(中略)ある意味『栞のテーマ』は絶対に超えられないと思われたなんてある。歌詞は、あなたが大事!という気持ちを歌い上げる憧れのセリフがいっぱいなんだけど、はっきりと別れの曲なので、聴いていてシュンとなります。「別れましょう」とこんなふうに歌われても、「そうですね」とはならないだろうから、ありそうで絶対にい、ファンタジックな曲であります。