
|
■工作員月誌
|
第14回 「本の日」について
|

|
12月15日は、「国際橋渡し語」エスペラント(語)の創始者L.L.Zamenhof の誕生日である。
|
この誕生日の前後の土日に、「ザメンホフ祭 ("Zamenhofa festo")」という、一種の親睦会が各地のサークルで行われることが多い。年末に近いのか、忘年会のような雰囲気を感じる。普段、表立ってエスペラントの行事や活動に関わらない人も、この祭にだけは来る人もいる。親睦会といっても、サークルによっては講演会があったり、シンポジウムを開いたりする所もある。そこからは単なる飲み会にはしないぞ、という気迫が感じられる。
|
この祭の日は、エスペラント界では「本の日」とも呼ばれる。それにちなみ、「ザメンホフ祭」の会場で、エスペラントに関する本、エスペラントで書かれた本が売られる。例えば、入門書や辞書、学習書、エスペラント書きの小説や実用書などである。勿論、他の季節でのイベントでも売られるが、なにしろ「本の日」付近の日なので、何か一冊でも買わないといけないような気にさせられてしまう(のは私だけだろうか)。
|
Zamenhofは1887年に、自費出版でエスペラントのガイドブック『第一書』を出した。創始者とその家族を除いて、最初にエスペラントに触れた人は、いやおうなく、その本から学ぶことになった。その時点では、本の中に存在するだけの言葉だった。そして、学んだ者は自分なりに表現しはじめ、本の上だけに存在した言葉を、話し、書く言葉に変えていった。
|
「本の日」の由来は、実はよく解っていない。しかし、祭で本を買うときいつも思うのは、エスペラントの始まりの時に起こったこと。本から始まり、本の外へと広がっていた言葉が存在し、今も存在するという事実を、何度も確かめる。そして、広がった言葉で作られた本、紙の本、パソコン画面上の本を、読む。もう長いことザメンホフ祭に参加していないけれど、この日にエスペラントの本を読む習慣は、今だに続いている。
|
| |
|
|