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■ 開業の日々
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| 第69回 図書カード |

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「図書券ください」
「図書券は販売を終了しました。いまは図書カードだけです」
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お客さまは一瞬たじろいだ後、こう聞いてくる。
「カードはどの店でも使えるの?」
「ほとんどの店で使えると思いますよ」
「お釣りは出るの?」
「いえ、お釣りは出ません。カードに金額データが残りますので、残額があるうちは何度でも使えます。テレホンカードと同じです」
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ここまで説明すると、お客さまはやっと購入を決断される。
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図書券から図書カードへの切り替えはずいぶん前からPRされており、当店でも送られてきたポスターを目立つところに張り出してきたつもりだが、周知徹底が図られたとは言い難いというのが実感だった。
それでも、年明けにはお年玉代わりにもらったらしい子供たちが図書カードを使うケースが急増した。
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それに伴って、困った問題が発生した。図書券だと枚数を手早く数えるだけだったが、500円カード4枚で2000円の商品代を精算するには、カードリーダーで500円ずつ代金を引き落とさなくてはならない。結構時間がかかり、立て込んでいるときはお客さまに待っていただくことになる。時には、カード本体やデータの破損で使えず、あわてて財布を取り出すお客さまもいらっしゃる。
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残額がわかりにくいのも難点だ。「いくら残っているかな」と言いながら、おずおずと図書カードを差し出すお客さまは多い。1000円のカードを持参したが実際には100円しか残っておらず、やむなく買い物を中止したかわいそうな子供もいた。
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カードは、企業や学習塾、学校のPR需要が当て込めるから、発行側にとってはメリットがあるだろう。しかしお客さまにとっては、図書券に比べて不便になったと思う。
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