part1
大阪・四天王寺の一角で柄杓の陣取り合戦が行われていました。ちょうど手前側と向こう側の柄杓のにらみ合いが白熱している最中でした。作戦としては向こう側は最前線にたくさんの柄杓が並んでいます。手前側は後方支援に力を入れているようです。
緊張は頂点に達しています。今まさに天下分け目の戦いが始まろうとしているのです。
【大阪:四天王寺にて】
この手水鉢は前から和菓子みたいだなぁと思っていたので、なるべくそう見えるように撮影したのが右の写真です。おいしそうじゃありませんか? ピンクの花飾りもお皿に添え置きました、みたいな感じで。
金福寺ってもともとが女性的な切なさ、たおやかさに彩られたお寺なので、こういう可愛らしい手水鉢が本当によく似合います。
甘い甘いお子様向けの和菓子。庭をみながらお薄と一緒にどうぞ、という体で置かれています。
【京都:金福寺にて】
今西家の箱入り娘。楚々とした佇まいが、世間知らずのお嬢さんといった雰囲気を漂わせています。
石の大きさに対する水穴の小ささ、四角形の柄杓など、いちいちやることに品が感じられます。
高い塀に遮られて、彼女に外の様子は何もわかりません。いったい世間様とはいかなるものかしら、そんなことを考えつつ毎日空ばかり見上げては嘆息しているこの箱入り娘なのです。
【奈良:今西家書院にて】
どこにでもあるような手水鉢。人に見てもらうつもりはまったくなくて、ひたすら人の役に立つためだけにこの場所に佇んでいます。
手水鉢の上に置かれたバケツも、その向こうの素っ気ない井戸も、何の工夫もありません。けれども、下町のお寺にはこれがよく似合います。
名もない市井の人々が集まるお寺の名もない手水鉢。味気ないように見えても、ちゃんと周囲に馴染むように作られています。
【京都:釘抜地蔵<石像寺>にて】
大変人気のある蹲です。それは紅葉の季節。散紅葉がさらさらと積もって、美しい。
だけど秋以外の季節になると、この蹲はからっきしです。暗がりにぽつんと置かれているその姿は、とても寂しげです。
早く秋が来ないかなぁ、つまんないなぁ、とその心は秋を待つ想いでいっぱいなのかもしれません。
【京都:高桐院(大徳寺塔頭)にて】