訪問日:2005/01/23
斑鳩の塔。こう聞いて、誰もが思い出すのはまず奈良県・法隆寺の五重塔ではないでしょうか。そして、ちょっと詳しい人なら法輪寺や法起寺の三重塔も思い出すかもしれません。どれも日本を代表する名塔中の名塔ですから。
けれども、斑鳩にはもう一つあまり知られていない名塔がありました。それが斑鳩寺の三重塔です。斑鳩寺は、兵庫県太子町の“鵤”という土地にあります。これで“いかるが”と読みます。奈良の斑鳩とどうつながっているかというと、斑鳩寺は法隆寺の子院として建立されたお寺なのです。
斑鳩寺はいかにも町中のお寺といった風で、境内では子供が遊びまわっていたり、近所から来たようなおじいさんがベンチに腰掛けて休んでいたりしていました。
そんな中、三重塔は堂々と風格のある佇まいで立っていました。小さな境内を物ともしない、大きな塔です。
これがどこから眺めても絵になる塔で、なるほど奈良・斑鳩の塔にも引けをとらない名塔だなと思いました。
僕のお気に入りは、この馬越しのアングル。馬も驚く名塔ってわけですよ。
さて、その馬というのは太子堂というお堂の前にあったもので、狛犬形式で二頭向かい合って立っていました。これが凛々しくてカッコいいんですよ。たまには馬にもいい役回せよ!ってことでしょうか、境内でもかなり目立つ位置に立っていて、結構誇らしげに見えました。
それでね、境内で遊んでいた兄弟らしき子供が二人、その馬にまたがって遊んでたんですよ。ちょっと危ないかなという気もしたんですけど、代わる代わるまたがってなかなかに楽しそうな様子でした。馬も「しゃあないな」といった風で子供の相手をしてあげている感じに見えました。
奈良の斑鳩っていかにも“いにしえの”って感じでしょ? 歴史があって伝統があって、そこにいると自分が聖徳太子の時代にワープしたような気持ちになります。
だけど、兵庫の斑鳩は全然そんなことない。どこにでもあるような、普通の町です。
そのぶん、こちらの斑鳩は随分力が抜けています。ふわ〜って。馬が近所の子供たちと遊んでいるようなお寺ですからね。
なんだかこんな近所のお寺みたいなところに、長い時間をかけてやってきたのかと思うと、ちょっと不思議な気持ちにさせられました。