空想工房

part2

囚われの自由

大きく翼を羽ばたかせて、自由に飛び回る三羽の鳥。だけど、よく見てください。これは金網に閉ざされた狭い世界で起こっている出来事なのです。
囚われの身であることを知らずに自由を満喫しているつもりなのか、それともこの狭い世界から逃げ出そうと必死にもがいているのか、いずれにせよ僕の目にはとても切ない光景に映ります。
本当の自由を知らない永遠の虜。金網さえなければ、ここに鳥たちの姿はないはずと僕は信じているのです。

【京都:北野天満宮にて】


チューリップハット

十輪寺の鳳輦形屋根の写真を見てたら、こんな空想が浮かんできました。

本堂は嘆いていました。
「暑さで屋根がぐにゃりと曲がっちゃったよ!!」
無理もありません。今年(2004)の夏は、記録的な猛暑となったのですから。
早く元に戻るといいねと声をかけてあげたくも思うのだけれども、このぐにゃりと曲がった屋根はオシャレでなかなかいい感じなんですよ。品のいいチューリップハットみたいです。

それ、とっても似合ってるよ。やっぱりかけるべき声はこっちだろう。

なんてね。

【京都:十輪寺にて】


バイキング見参!

確かバイキングの被ってる帽子ってこんなのだったよなぁ。この鐘楼を見ると、そんなことを考えます。バイキングの帽子というのは、皮で出来ていて何かの動物の牙か角らしきものが左右ににょきっと出ているアレです。
おかげで、この鐘楼のイメージは“勇敢”で定着しています。さあ、どっからでもかかってこい! と、敵の襲来を楽しみに待ち構えている素振りさえ感じられます。
さあて、今の平和な東大寺においては、彼の勇敢な闘争心が満足されることは果たしてあるのでしょうか?

【奈良:東大寺にて】


万年虹

青蓮院の庭園に可愛らしい小さな石橋。僕は万年虹と名づけました。
空に架かる虹と比べると、スケールの小ささは否めません。だけど、滑らかな曲線を見ていると気持ちがすぅーっと晴れやかになるところなんかは、虹とまったく同じです。
僕はなんとなく想うのです。雨上がりの日に、この池に小さな本物の虹が架からないかと。そして、この万年虹の石橋がその虹を見て、あらん限りのライバル心を燃やさないかと。
もしかすると、雨上がりの日にここを訪れたならば、小さな本物の虹の隣でいつもよりも力強く輝いているこの石橋を見ることが出来るかもしれません。

【京都:青蓮院にて】


色彩の満員列車

一つの建築の中で、さまざまな色が押し合いへし合い、ところ狭しとひしめき合っています。僕はこれを色彩の満員列車と名づけました。
終着駅は人々の喜ぶ顔と言ったらちょっとキザな言い方になるでしょうか。なにしろゴージャスなカラーリングは誰の目をも奪い、感嘆の声を引き出します。
ぎゅうぎゅう詰めのラッシュアワー、地獄の時間といかないのがこの満員列車のいいところ。美しい旅はどこまでも続いていきます。

【滋賀:日吉東照宮にて】


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