訪問日:2005/10/23
石清水八幡宮は、男山という勇ましい名前を持つ山の頂にあります。
兼好法師のエッセイ集『徒然草』に、石清水八幡宮を参拝するつもりが、勘違いして男山の麓にある摂社だけお参りして帰ってくるお坊さんの有名なエピソードがありますね。まさか、このお坊さんも、その後何百年にも渡って自分のドジ話が伝わるなんて思いもよらなかったでしょうね。面白いけど、ちょっと気の毒なお話です。
今では山頂まで運んでくれるケーブルカーがあるので、勘違いする心配はまったくありません。発車してすぐ、あっという間に山頂に到着します。お坊さんの果たせなかった思いを乗せて、いつまでも走れ走れ。
境内のシンボルスポット、拝殿です。昔から、この建物の繊細で品のあるフォルムが大好きでした。
言うなれば、“建物の平安貴族といった感じでしょうか”。その優美な佇まいを見るにつけ、神さまの優しさに触れる思いがします。
拝殿及び本殿は、現在大規模な修復の真っ最中でした。屋根にはブルーシートがかけられ、周囲には大きな足組みが作られています。僕はのん気に“また派手なアクセサリーが増えたもんだなぁ”なんて思ってました。
まったくそれどころじゃないよ! なんて拝殿のぼやき声が聞こえてきそうです。
普段よりも賑やかな境内だなぁなんて思っていたら、折りしも七五三の季節だったんですね。見れば、可愛い晴れ着姿の子供たちが、お母さんに手を引かれながら歩き回っています。こういう時、あんまりやんちゃに走り回ったりする子供っていないもんなんですね。着物に慣れないせいもあるのでしょうか、みんな借りてきたネコのようにおとなしくしていましたよ。
華麗な拝殿と鮮やかな着物の子供たち。
見映えとっても賑やか、いと楽し。なんともいい日に訪れたものです。
さて、本殿が修理中なので背後に控える若宮社という建物が仮本殿として使われていました。
大抜てきです。普段は地味な建物なんですけど、この時ばかりはなんだか張り切っているように見えましたよ。僕はなんとなく嬉しくなって、少しばかりお賽銭をはずんでみました。鈴を鳴らすと、からんころんと乾いた音が境内いっぱいに響きました。僕が神社で鈴を鳴らすのは、随分久しぶりのことです。