訪問日:2005/10/23
松花堂はお寺でも神社でもありません。純粋に庭園だけの一本勝負。それだけに広大な敷地内には、庭を美しく見せるさまざまな仕掛けが施されています。
ころころ変わる場面展開は、まさに万華鏡。でっかいでっかい万華鏡です。
この日は初訪問だったのですが、最初に登場する川を中心としたエリア、ここを見てるだけで一気に大好きになってしまいました。緑に包まれた空間を、巧みに駆け抜けてゆく小川。コイが気持ちよさげに泳いでいます。
その風景には、自然では決して作り出せない“人に合わせた優しさ”がありました。人工の美にも確かに素晴らしい魅力がある。松花堂は、そんなことを僕に教えてくれます。
庭園内には、たくさんの茶室が建っていました。深い緑に包まれた茶室っていいですね。こういった光景には、日本人が代々受け継いできた心の拠り所があるような気がします。
茶室というと、大概ペアで登場するのが手水鉢。手水鉢ファンの僕としては、見逃せません。可愛らしい小さな手水鉢や高い脚のついた洒落た手水鉢、苔むしたシブい手水鉢など、個性的な手水鉢が次々登場します。最近、いい手水鉢になかなか巡り会う機会がなかった僕は大満足でした。
庭園の真ん中辺りに、西洋風の美術館が建っていました。前には広々と芝生が広がっています。なんだか、大富豪の家に遊びに来たみたい。
ちょうどいい感じにベンチなんか置いてあったりして、のんびりとくつろげるようになっています。この後に控えている、きらめく宝石のいっぱい詰まったスペースを前に、ここは一息つけるちょうどいいクッション。僕にとっては、これ以上ないほどの素晴らしい読書空間。
その時僕は雑誌しか持っていなかったんだけど、いいんですよ。読むともなくぼんやり本を眺めている、そのシチュエーションがたまらなく大好きなのだから。
さ、この門から向こうは撮影禁止です。だけど、本当に素晴らしいのは、実はここから先なのです。
趣のある石畳に導かれて、寂びた風情の書院や落ち着いた佇まいの草庵、明るい緑に彩られた庭園などが現れます。どこに目を向けても、和の髄のようなものが、いっぱい詰め込まれているような気がしました。こういうの見てると、日本って本当に素晴らしい文化を培ってきた国だと思います。
日本がますます大好きになる瞬間です。