円光寺(京都市左京区)

訪問日:2005/02/13

受付にさえ人はいない

円光寺は、紅葉で有名なお寺です。秋になるとたくさんの人が訪れて境内は賑わいます。
だけど今は冬。人はおろか猫の子一匹いません。だって、拝観受付にさえ誰もいないのですから。
受付には「拝観料を払ってパンフレットを取ってください」と書いた紙が貼ってありました。つまりは、境内は文字通り僕一人。円光寺を独り占めだったのです。

庭園は裸木だらけ

もっとも独り占めといったところで、それは芝居のない舞台を見せてもらっているようなもの。庭いっぱいに枝を伸ばしている木々は、どれも全部葉っぱ一つつけていない裸木なのです。
庭の木々は、「おいおい、何でこんな時期にやってくるんだよ」と、いささかご立腹の様子。「いやいや、それでも面白いんだよ」と僕は落ち着いて縁側に腰を下ろします。僕は僕なりの楽しみ方がちゃんとあるのです。

裸木たちの大熱演

裸木って、枝をぶるんぶるん振り回しながら踊る前衛舞踏家みたいなんですよ。それがたくさん集まって、みんなでぶるんぶるんしてる。
先ほど芝居のない舞台と書いたけれども、なんのなんの。ちゃんとエキサイティングでダイナミックな名舞台になっているのです。
こうやって見ると、木々も見られることを嫌がっている様子はなくて、むしろ「俺たちの熱演をとくとご覧あれ!」と言っているように思えてきます。この日の観客は僕一人でしたが、この季節にももっとたくさんの人が訪れるようになれば、木々たちの舞踏にももっともっと熱が入るのかもしれませんね。

まさに洛北の景色

さて、境内を奥に上がったところに徳川家康を祀った東照宮があります。といっても、日光のように絢爛たるものではなくて、小さな石塔がぽつんと建っているだけです。豪奢なことの大好きだった家康も、円光寺にかかればまるで形無しです。
けど、ここから眺める京都の町並みがとってもきれいです。それは、洛北ならではの落ち着いた町並み。声を上げるような絶景ではなくて、静かな安堵が心の中にじわーっと染み渡っていく感じ。まさしくこれが洛北なんだなぁ、と思います。

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