訪問日:2006/08/20
知恩院の三門が要塞なら、東本願寺の御影堂門は巨人です。いつも勇壮で、力強い。
子供の頃は、この門をくぐるのがなんだか嬉しかったものです。豪華で立派で、堂々とした佇まい。きっと、自分がどこかの国の貴族にでもなったようなつもりになれたんでしょうね。
大人になった今でも、この門の素晴らしさに心躍ります。ことに至る所に施された木目細かい彫刻の美しさが、目を惹きます。このゴージャスさこそ東本願寺。この日も、そのスケールの大きさに圧倒されっぱなしでしたよ。
御影堂は世界最大級の木造建築ですが、現在長い修復期間に入っています。お堂をすっぽりと覆うプレハブが巨大工場のようで、それだけ見てても「わぁ、すごい!」と思わせるだけのものがあります。
さあ、中ではどんな魔法が繰り広げられているのでしょうか。この御影堂には、隣接して建っている阿弥陀堂を伝って中に入ることが出来ます。外から見ても充分立派なこの二つのお堂、中に入っても絢爛な欄間彫刻や巨木をふんだんに使った柱など見るべきものがたくさんあります。まずは、少し小さな(それでもとっても大きいのですが)お堂、阿弥陀堂に上がらせていただきました。
お隣の西本願寺でもそうなんだけど、この東本願寺でもお堂の中でまず目につくのは、僕のような観光客よりも篤い信仰に支えられた門徒さんの姿です。いつ訪ねても、内陣に出来るだけ近いところに座って、真摯に手を合わせていらっしゃるたくさんの人の姿を目にすることが出来ます。
いつのことだったか、たまたま親鸞聖人の命日に行われる報恩講の日に訪れたことがあって、その際に御影堂にぎっしりと埋まった門徒さんを見て、堂内にみなぎる信仰の迫力に圧倒されたものです。
東本願寺に行くと、いつだって生き生きとした宗教の力に出会えます。それが、このお寺の一番の魅力かもしれません。
いつもは伸び伸び朗らかな御影堂も、光を遮断されたプレハブの中にいると、やけに神妙で厳粛な雰囲気に包まれています。漆黒のお堂が、廊下や柱が照明の光だけに照らされて黒光りを増し、どこか薄気味悪ささえ漂っています。
なるほど、やはりこのお堂は陽光に照らされてその大きな屋根をきらきらと輝かせている姿が一番だなと思いました。僕にはこの御影堂が、まるで入院患者のように窮屈で退屈な思いをしているのが手に取るようにわかりましたよ。“早く外に出たい!”彼の心の中は、今その思いでいっぱいなんですよ。