直指庵(京都市右京区)

訪問日:2005/03/13

雪の嵯峨野に出会った

雪です。大雪。
嵯峨野で雪に見舞われたのは、今回が初めてのことでした。厳冬の候に嵯峨野を訪れたことはこれまでにもあったのですが雪には縁遠く、写真でしか見たことのない雪の嵯峨野にずっと憧れの気持ちを抱いていました。

この日は3月半ば。例年ならばもう春の足音がすぐ近くに聞こえてくる時季です。なのに、直指庵に入った途端、ご覧の雪。それも、「ええっ」と驚くほど強く吹雪いてきたのです。
こうして雪の嵯峨野初体験は、不意をつくようにして始まったのです。

本堂に緊急避難

それにしても大雪でした。雪の嵯峨野はもちろん嬉しかったのですが、なにしろ予想もしていなかった出来事です。傘も持たずにのん気にやってきた身としては、この雪の急襲に会ってはひとたまりもありません。あっという間に濡れ鼠。とりあえず、本堂に緊急避難です。
本堂は少し高台にあって、そこから境内を一望できるようになっています。ここで、ようやくゆっくりと雪の嵯峨野を堪能します。
嵯峨野は嵯峨野でも、ここは観光エリアを離れた北嵯峨。まったくもって静かです。やはり、雪は静けさにこそ似合います。ささやかな境内に降り注ぐ白い雪。とても厳かで美しい光景でした。

想い出草ノート

堂内の机には、想い出草ノートというかわいらしい装丁のノートが数冊置かれています。直指庵は女性の駆け込み寺としても知られていて、訪れた人がこのノートに悩みを綴っていくという、いわくつきのノートなのです。
もっとも、中を見るのはなんだか人の秘密を盗み見しているような気がするので、僕は今までこのノートを開いてみたことが一度たりともありません。けど、きっとそこにはたくさんの人の想いがぎっしりと詰まっているのでしょうね。見た目は薄いノートですが、その存在はとても重々しいものに感じられます。

散策どころではない

雪は、まるでやむ気配がありませんでした。
いつまでも本堂に籠もっていても仕方がないので、思い切って少し境内を歩いてみることにしました。
まるで直指庵をこのまま埋めてしまおうと言わんばかりに雪は容赦なく降り続けます。僕の黒のジャンパーに真っ白な雪の花が咲き乱れます。うわぁ、もう境内を見て廻るどころじゃないよ! と、慌てて退散しました。
そんな、雪の嵯峨野初体験。今度は傘を持って、ゆっくりと歩いてみたいですね。

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