訪問日:2005/07/10
神護寺の参道。考えただけでもぞっとします。長い長い石段。どこまでも続きそうな曲がりくねった坂道。
ましてやこの日は、蒸し暑い梅雨空。ちょっと日を間違えたかなぁと思うも後の祭り。ぬぐえどもぬぐえども滝のように流れ落ちる汗。
だけど、息を切らしながらがんばって上った参道の最果てに見える山門のなんて神々しいこと! 後光射すその姿は、まるで天国の門のようです。
この門をくぐれば、本当に天国のように美しい世界が広がっています。これがあるからこそ、参道の労もがんばって乗り切れるというものです。
金堂は昭和の名建築です。
いつ見てもカッコいいなぁと思います。堂々としています。古建築並みの重厚さを備えています。古いものだけに価値があるのではないという大切なことを、神護寺の金堂は教えてくれます。
中に入ると、大変厳しいお顔をされた有名な薬師如来像がいらっしゃいます。暗がりで表情がよく見えない分、唇を彩る明るい朱が美しく映えて見えます。
僕の父は神護寺の紅葉が好きで、亡くなる寸前まで応接間に神護寺で撮った紅葉の写真を何枚も飾っていました。普段は静かな境内も、この時期だけ押すな押すなの大盛況になって大変だという話をよくしていたものです。
僕は紅葉に染まる神護寺をまだ見たことはありません。僕は人ごみが苦手なので、紅葉の神護寺は父の写真の中だけでいいかなぁなんて気もします。
境内の一等高いところに、錦雲峡を一望できる見晴らしのいい場所があります。子供の頃にも父に連れられて神護寺を訪れたことがあったのですが、建物だとか仏像だとか何一つ記憶に残っていないのに、なぜだか唯一覚えているのがこの場所なのです。
目の前には、どこまでも広がっていきそうな深緑。深呼吸してきれいな空気を胸いっぱいに吸い込めば、心も身体も速攻でリフレッシュ。確かに子供心にも強烈なインパクトを残すに違いない、素晴らしい場所です。