常寂光寺2(京都市右京区)

訪問日:2006/01/08

“嵯峨野を休もう”

“今日は嵯峨野を休もう”この日の嵯峨野は、ふとそんなことを思いつきました。

普段は人で賑わっている常寂光寺の門前も、いつになく疎ら。ここから落柿舎を挟んで二尊院へと続く美しい散歩道も、閑散とは言わないまでも、冬の寒空の下、落ち着いた静けさに包まれています。
初夏には新緑、秋には紅葉と遊び相手に恵まれている常寂光寺の仁王門も、この日ばかりはぽつんと一人ぼっちで佇んでいます。

いつもの賑やかな嵯峨野は、今日はお休み。そうか、じゃあ僕も一休み。仁王門から本堂へいざなう石段に腰掛けます。時間さえも休みたげに、ゆっくりのんびりと過ぎていきます。

常寂光寺の階段芸術

境内にはやたら階段があって、ちょっとした迷宮気分が味わえます。
この階段をどんどん上って行くと、最後には多宝塔のところまでたどり着いて、そこから京都随一の美しい眺望を楽しむことが出来ます。
さて、何も考えずにほいほい上って行きがちなこの階段、実はこれが非常に興味深いのです。どの階段を見ても無機的なものはなく、どれも独創的なカーブを描き、美しい風情を醸しだしています。僕は“常寂光寺の階段芸術”と勝手に呼んでこっそり楽しんでいます。

庭園はおもちゃ箱

本堂の傍らに、小ぢんまりとした可愛らしい庭園があります。
でも、ごちゃごちゃとしてて、なんだかとっちらかっちゃった印象があります。もしもこれが僕の部屋だったら、間違いなく母親に「早く片づけなさい!」って怒られますね(口うるさいんです)。

けどね。
僕の目には、狭いスペースに“あれもやりたい、これもやりたい”って詰め込みすぎちゃった結果のように見えるんですよ。だって、部分部分取り出してみれば、構成がとてもしっかりしてる。見どころはたくさんあるんですよ。
いわば、おもちゃのいっぱい詰まったおもちゃ箱。ひとつひとつ取り出して遊べばいいんだよ。

本気の嵯峨野は凄かった!

常寂光寺の多宝塔。この塔の建つ高台から眺める嵯峨野は、京都で最も美しい風景の一つです。
一番初めに“この日は、嵯峨野を休んでる”って書いたけれども、なんのなんの。この胸の空くような爽やかな眺望は、紛れもない“いつもの嵯峨野”でした。
“少し本気を出せばこんなもんさ”嵯峨野は、そう僕にささやきかけます。“やっぱり、嵯峨野は凄い!”僕は、白旗掲げて全面降伏です。

“でも、お休みモードの嵯峨野も風情があってよかったよ”嵯峨野にナイショで、そっと思いましたけどね。

・常寂光寺(2004/08/22)

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