桂春院<妙心寺塔頭>(京都市右京区)

訪問日:2005/05/29

静かだけれど寂しかない

妙心寺はとっても静かなお寺で、そこに属する塔頭寺院もその流れを汲んで静かな佇まいのものばかり。
例えるなら、物静かなお母さんと物静かな子供たち。みんな無口でおとなしい性格なのです。
中でも、境内のはじっこにひっそりと佇む桂春院は、いつ訪れてもしーんとしています。

だけど、不思議です。こんなに静かでもちっとも寂しいところがなくて、むしろ明るい心地よさが始終境内に流れています。
そこが最大の魅力です。この心地よさを心行くまで楽しもうと、この日僕ははりきって桂春院を訪れたのです。

ミシギシが楽しい

桂春院の廊下って、ところどころミシミシ言うんですよ。それは“ウグイス張り”なんて優雅なものではなくて、ともすれば踏み抜いてしまいそうなミシミシギシギシ。ちょっと怖いです。
けど、桂春院には小さいけれども趣味のいい庭がたくさんあるので、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、廊下をミシギシ言わせながら歩き回るのがとっても楽しかったりもします

このミシギシって、なんだか桂春院のさり気ないユーモアのような気がします。静かだけど寂しいところはちっともないって言うのは、こういうところなんですよ。

主役のいない世界

桂春院には小ぢんまりとした四つの庭があります。案の定というか、やっぱりというか、さほど個性を主張しないおとなしい庭ばかりです。
だけど、大切なのはズバリ「和」です。庭や茶室、書院、石灯籠。それぞれがあるべきところに収まって、“桂春院”というささやかで美しい一つの世界を織り成しています。

主役のいない、脇役だけで作る世界。いや、みんなが主役というべきかも知れませんね。

気の置けない友達

結局のところ、僕は桂春院ととっても気が合うのです。仲良くなっちゃいました。
気軽にふらっと寄って、ふらっと話して、ふらっと帰っていく。いわゆる、「気の置けない友達」ってやつかな。
お互い無口で控え目同士。これからも仲良くやってこうぜ。

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