訪問日:2005/01/30
京都の禅寺って、いつもゴージャスだなぁって思います。東福寺、天龍寺、大徳寺…どこへ行っても大きな建築や壮大な庭園があって、圧倒されてしまいます。京都の禅寺って、このゴージャスさが一種のステイタスだったりするんですよね。
ところが建仁寺は、どうもこのゴージャスさからかなりかけ離れたところにスタンスを求めているようなのです。建物も質素。庭も質素。大人の佇まいです。
僕は建仁寺を訪れると、禅寺なんだからもっと威張ったっていいんだよと声をかけてあげたくなります。
そんな性格のお寺なもんだから、訪れる人もとっても少ないのです。この日は寒い冬の日で、おまけに雨が少しぱらついていたものだから、いつにも増して境内は静寂に包まれているような気がしました。
そんな静寂が怖いほど似合うのが方丈の前庭・大雄苑です。とってもシンプルな庭。白砂のキャンバスに苔や緑をバランスよく配置して、あとはおとなしめの石をいくつか並べただけ。それ以上でもそれ以下でもない。
だけど、このシンプルさこそが建仁寺なんだなぁと思います。余計なものが何もないって気持ちのいいことなんだ、って思います。
ところで建仁寺で最も有名な寺宝と言えば、俵屋宗達の描いた金屏風・風神雷神図ということになるでしょう。方丈でレプリカを見ることが出来ます。
風神も雷神も公園で遊ぶ子供のように無邪気です。僕には二人が仲良く追いかけっこして遊んでいるように見えます。あんまりはしゃぎ過ぎると、下で災害になっちゃうからほどほどにね。
さて、法堂へ行くと天井いっぱいに大きく描かれた龍の絵を見ることが出来ます。禅寺ではお馴染みの光景です。
ただ建仁寺の法堂がちょっと違うのは、床にカーペットが敷いてあるので、みんな座り込んだり寝転がったりして天井画を見ているところです。このだらけた鑑賞法が僕は大好きです。この日も遠慮なく、寝転がって見ることにしました。
すると、堤防に寝転がって美しい夜空を見上げているような、気持ちのいい時間が訪れます。そのうち、あまりの心地よさにだんだん眠たくなってきます。とってもいい気分。このままいつまでもこうしていたい。
天井に描かれた二匹の龍が、なんだか呆れたような顔で僕を見下ろしていました。