訪問日:2004/08/06
萬福寺に来ると、取りあえず難しいことはいいじゃないか、という気になってきます。何も考えずにのんびりしていたいな、と思います。「いいじゃないの幸せならば」という古い歌謡曲があったけれども、萬福寺にいるとまさに「いいじゃないの幸せならば」と、まあそんな気分になってくるのです。
大らかな雰囲気。陽気な仏像。人生をどう生きるにしろ、まず楽しまなければ意味がないんじゃないかとこのお寺は言っているような気がします。
天王殿の布袋像は萬福寺の人気者です。大きなお腹を出してにこやかに笑っている布袋さまは、見ているだけでなんともほのぼのとした気持ちになってきます。大らかな空気の流れるこのお寺を象徴するような仏像だと思います。
けれども、僕が本当に惚れ込んでいる仏像がこの布袋さまと背中合わせに立っている韋駄天なのです。最初にこの仏像を見たとき、僕は雷に打たれたような衝撃を受けました。
きりりと引き締まった表情と、流麗な立ち姿。そこにはまったく迷いのない、強い意志の力が感じられます。
のどかな境内の雰囲気に迎合しない孤高の人です。会う度に幻想的な雰囲気が増していくように思えます。
萬福寺の建物にはどれも大きな額が掲げてあって、そこには達筆で何やら文字が書かれています。子供の頃、これを何かの呪文だと思っていました。僕が一度思い込むと父も面白がって訂正したりしないので、長い間この額の文字は僕の中で呪文ということになっていたものです。
中には今でも読めない難しい字で長々と書かれている額もあったりして、もしかするとそれは本当に呪文なのかもしれないなぁなんて思ってみたりもします。
境内の中国的な異国情緒に、こういう不可思議で魔法的な要素がとてもよく似合っているような気がします。
萬福寺のアイドル、開椰のサカナくん。みんながここで記念撮影をしていくという異様な人気を誇るオブジェです。
なんでも食事の時間になるとこのサカナくんのお腹を叩いて報せるそうです。一度その音を聞いてみたいと思っているのですが、マヌケな音がするんじゃないかなぁという気がします。「ぽくっ」とか「ぽすんっ」とか。
別にサカナの形じゃなくてもいいんだけど、あえてサカナ型に作ってあるのが、このお寺らしいユーモアのセンスなのかなぁなんて思ったりするのです。