泉涌寺(京都市東山区)

訪問日:2006/05/04

楊貴妃ではなく「陽気妃」

泉涌寺の大門をくぐってすぐ脇に入ったところに、庶民的な雰囲気の小堂が建っています。中には、有名な楊貴妃観音が座っていらっしゃいます。
爽やかな庭がお堂の周りを囲み、堂内ではおじさんが仏さまの説明をしてくださいます。明るい雰囲気の親しみやすい場所です。
“楊貴妃”という語感から想像される哀しみのようなものはまるでなく、僕にはこの仏さまがいつでも楽しんでいらっしゃるように思えます。だから、僕の中では「楊貴妃観音」ではなく、「陽気妃観音」とこっそり呼ぶことにしています。
ましてやこの日は抜けるような青空。そしてゴールデンウィーク真っ只中。陽気妃観音さまは、いつにも増して陽気な面持ちで訪れる人を迎えてくれているように思えました。

光線のような仏殿の柱

仏殿は外から見ても確かに大きいのだけれど、中から見たときの大きさは想像以上で、いつもわかってていながらビックリしてしまいます。中央には阿弥陀・釈迦・弥勒の三世仏が並んでいて一見とても小さく見えるのですが、よくよく考えてみたら仏さまが小さいのではなくてお堂が異様に大きいのです。
この大きなお堂をしっかりと支えるのが、地面からぐーーーーんと真っ直ぐに伸びる数本の柱です。すぅっと何本もの直線が天に向かって伸びていくその光景はひたすら優美で、“大きなお堂を支えている”という力強さや逞しさはまるでありません。いつのことだったか、じっと眺めているうちに、何本もの光の線が天から降りてきているような錯覚を感じて口がぽかーんとなったことがあります。
本当に素晴らしい建物。いつも、じっくりと時間をかけて眺めています。

清らかな陵

泉涌寺は、浮ついたところがまるでなくいつも落ち着いています。それを象徴するのが、月輪陵です。ここには、たくさんの天皇が眠っています。もちろん、そこに配慮されているのでしょう、いつ訪れても音の概念さえ失ったような静けさの中に佇んでいます。
見上げれば大きな空。地面には清楚な白砂がさぁーっと敷地いっぱいに広がっています。どこか浮世離れした、突き抜けるような清らかさがあるんですね。昔から、このお寺で一番大好きな場所です。

おじさんたちの草刈り作業

いつも最後に訪れるのが、特別公開として見せていただくことの出来る御座所です。大変風雅な庭園があります。
ちょうど僕が訪ねたとき、三人のおじさんが庭に下りて草むしりの作業をしていらっしゃいました。なんだか「やっぱり家で寝てるよりも、外で身体を動かさんといかんね〜」なんてのんびりとした会話をしながら、手持ちの鎌でささっと雑草を刈っていきます。庭を見てるよりも、その作業を見てるほうがよっぽど楽しかったですよ!

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