勝持寺(京都市西京区)

訪問日:2004/11/21

静かに紅葉を見るならば…

今年は静かに紅葉を見よう。それがテーマでした。
一昨年の龍安寺は凄かった。押すな押すなの大盛況。当時のメモを見ると「デモ行進に参加したらちょうどこんな感じになるんじゃないか」と書いてありました。まあ、それくらい凄い人だったということです。
さて、静かに、しかも満開の美しい紅葉を見るためにはどこへ行くべきか。僕は色々と考えた末、大原野を選びました。この選択はなかなか賢いように思えました。なんせ、普段とても静かな場所です。いくら紅葉と言えども、そう多くの人は訪れないだろう。そんな考えを胸にこの日、大原野は勝持寺へと足を運んだのです。

紅葉は日本のお祭だ

しかし、その考えは間違いでした。
勝持寺の境内に入ると、まるで大園遊会のように賑やかな“紅葉パーティー”が繰り広げられていたのです。
文字通りの老若男女、たくさんの人が楽しんでいます。ふわー、いっぱいいるなぁ、と驚きもしたのですが、みんなの楽しんでいる様子を見ていると、それだけで僕も自然と楽しくなってくるのでした。
僕はなんとなく思いました。大原野に来れば静かに紅葉を見られるだろうという考えも間違いなら、紅葉を静かに見ようという考えも間違いだったなぁと。やっぱり紅葉は日本のお祭なんです。みんなでわいわいがやがや、楽しく見なければ面白くないんだなぁ、と思ったのです。

人々の熱気が紅葉を染める

僕はふと、紅葉がこれほど濃い赤に染まっているのは、人々の熱気に当てられて紅潮してるせいではないだろうかと思いました。
実際、その考えは悪くないと思いました。人々の熱気が、ちゃんと紅葉にも届いていることになるのだから。
紅葉だって、自分の艶姿を目当てに大勢の人が訪れることを知っていたなら、奮発してもっときれいに染まってやろうと頑張ってみるかもしれません。さらには、来年はもっと美しく染まって、もっともっと多くの人に楽しんでもらおうと思うかもしれないじゃありませんか。

静かな場所がたった一つ

本当は勝持寺にも、静かに紅葉を楽しめる場所が一つだけあったのです。
それは境内の奥の奥、冴野の沼という小さな沼のほとり。ここまで足を運ぶ人はさすがに少ないようでした。
さらさらと風が紅葉を揺らす音が聞こえてきます。本来は、こういう形で紅葉を楽しもうと思っていたのでした。
だけど、この日はもう大勢で眺める紅葉の方が楽しくなっていました。僕はすぐに賑やかな境内が恋しくなり、そっともと来た道を引き返したのです。

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