訪問日:2005/11/27
知恩院、八坂神社、高台寺…東山・円山公園界隈に建ち並ぶ寺社は、どれも京都を代表するビッグネームばかり。も少し離れると、今度は平安神宮、清水寺、八坂の塔など、これまた凄い名前が登場します。この一帯は、僕のようなtemple walkerにとって、まさに夢のエリアと言えます。
青蓮院も、この夢のエリアに名を連ねる美しい門跡寺院です。
いかにも門跡寺院らしい奥ゆかしさが、このお寺の魅力。常に一歩引いたところで美しい輝きを放つ可憐な名刹です。
この日は秘仏のご本尊・熾盛光如来曼荼羅が公開されていました。なんと創建以来、初めての公開だそうです。
曼荼羅の中心にご本尊の熾盛光如来が描かれているのですが、人の形をしているのではないのですね。梵字なんです。熾盛光如来を表すボロンという文字が描かれています。
今の今まで人目に触れず大切に保存されてきたせいでしょうか、色がとてもきれいに残っています。特に印象に残るのが、背景の濃い青。それは、深い深い宇宙を思わせる美しい青でした。
もう二度と見ることのできない仏さまかもしれませんが、心の中にはしっかりとその美しい青が刻み込まれましたよ。
青蓮院の庭って水彩画だと思います。さらっとして、全体的に淡いイメージがあるんですね。四季を通じて、とても清々しい。いつ見ても、心の中を爽やかな風が通り過ぎていくようです。
この日は真っ赤に染まった紅葉が、美しい彩りを添えていました。淡いトーンの庭園に色鮮やかな紅葉が見事なアクセントになっています。この紅は、ロートレック絵画における黒を思わせます。強いインパクトを放ちながら、一方できれいに全体に調和しているのです。
今年見た紅葉の中では、おそらく一番の美しさだったと思います。
さて、青蓮院には青不動と呼ばれている大変有名な不動明王がいらっしゃいます。
この仏さまは何が凄いって、後ろで燃えさかる炎が凄いのです。轟々と燃えさかっています。それは怒りなのか慈悲なのか、凄まじい情念の力を感じずにはいられない怒涛の炎です。
落ち着いた風情のこのお寺で、一人気を吐く青不動。そのアウトローぶりも、すこぶる魅力的です。