等持院(京都市北区)

訪問日:2005/01/16

そこは観光地のど真ん中

衣笠と御室をつなぐきぬかけの路。ここを歩くと、金閣寺や龍安寺、仁和寺など、そうそうたる人気寺院が登場します。どのお寺も、人でいっぱい。ここは京都屈指の観光エリアなのです。
そんな寺院界のビッグネームに挟まれて、等持院はひっそりと佇んでいます。
ここで地図を開いてみましょう。等持院は、金閣寺、龍安寺、仁和寺、そして花園の妙心寺で織り成す四角形の真ん中に位置しています。人気寺院に四方を囲まれた一番おいしい場所に立っているのです。
だけど、不思議なものです。等持院は、いつ訪れても水を打ったような静けさなのです。

不思議といつも静かなんだ

等持院は足利氏の菩提寺であり、境内には大変美しい庭が二つもあります。周囲の人気寺院と肩を並べるだけの要素は充分すぎるほど持っています。
だけど、静か。京都一静かと言ってもいいくらい静か。音を立てた瞬間世界が終わってしまうんじゃないかと思うくらい、何もかもが沈黙しています。
結局のところ、等持院といえばこの静寂がいつも僕の心の中に強い印象を残していきます。

読書をしようと思ったけれど

静かな庭のあるお寺となると、僕のすることは大抵決まっています。読書です。
僕もその気満々で文庫本を2冊かばんに入れて来たのですが、いかんせんこの日は冬真っ盛りの寒い一日。とてもじっと座って読書に耽るなんてことは耐えられそうにありませんでした。
そこで、ゆっくりと庭の散策。等持院の庭は思いのほか広いのです。そのどこもが絵の中を歩いているような静寂の中。加えて、眺めだって美しい絵の中にいるようなのです。

哀しい目の将軍

境内の一角に霊光殿があります。ここには歴代の足利将軍15人の木像がズラッと並んでいます。
その中に幼くして亡くなった足利義勝という人物の像があります。10歳で亡くなったので、当然それは子供の像なのです。
僕は子供の頃、この像がとても怖かったのです。子供なのに大人の服を着て、取り澄まして座っているこの将軍が、震え上がるほど不気味でした。
大人になって見る義勝は、なんだかとても悲しげな目をしています。まるで、自分がどうしてこんなところに座っているのかわからないといった風に見えます。
子供の頃抱いた薄気味悪さと、今感じる哀しさ。僕はこの像の前に来ると、どうしようもなくいたたまれない気持ちになるのです。

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