訪問日:2006/01/22
学生の頃、僕の恋人は京都に住んでいました。待ち合わせはいつも四条大橋の上。そこから、どこへ行こうあそこへ行こうと予定を決めて、何も変わったことのない、しかし楽しい一日をめいいっぱい過ごしたものです。
待ち合わせが四条大橋ですから、そこからどこかへ繰り出すとなると、大抵一直線上にある八坂神社を抜けていくことになります。知恩院へ行くにもそう、清水へ抜けるにもそう、いつもこの神社の中を突っ切って目的地へ向かうのが常でした。けれども境内で立ち止まったことは、一度たりともありませんでした。
八坂神社は、いつも通過点。僕たちは、これから始まるデートへのワクワクした気持ちを胸に、いつでも笑顔でこの神社を通り抜けていたものです。
そして、大人になって立ち止まる八坂神社。僕の青春の影は、今もこの神社に息づいています。
本殿は、最近の修復作業で明るい朱色に塗り替えられました。賑やかなこの神社においては、断然今の装いの方が似合っています。なんなら電飾をつけたっていいくらいさ、と僕は思います。
それくらい華やかさの似合う場所です。写真を見てください。いつも写真に人を入れない僕が、どう工夫しても、どれだけ待っても、フレームから人を外すことができない。本殿の前から人が絶えることは、一瞬たりともありえないのです。
華やかさは人を呼び、その人が華やかさを作り出す。僕の学生時代と何も変わっていません。
境内の中心に位置する舞殿は、おそらく本殿よりも目につきやすい建物だと思います。
お店の名前や個人名の入った提灯を屋根からいっぱいぶら下げて、日々お祭り騒ぎの舞殿。賑やかなこの神社に、一際華やかな色を振りまいています。
たまに、この舞殿で神前結婚式が行われていることがあります。四方をたくさんの見物人に囲まれて、粛々と執り行なわれる幸せの儀式。式を行っている当人たちももちろん幸せの最中だけど、周りで見ている人たちも心の底から楽しそうです。
八坂神社は、幸せの発信地。境内の隅から隅まで、幸せな空気が充満しています。
西の楼門は、四条通に面しているせいで人の行き来が多く、八坂神社の正門と思われがちですが、実は違うそうです(南の楼門が正門です)。
もう、何回この門をくぐったことだろうと思います。子供の頃、家族で京都に遊びに来ればくぐり、デートでくぐり、大人になって寺社めぐりでやってきてはくぐる。この門は、僕の成長をしっかりと見届けてきました。
きっと、今後もおじいさんになるまで、何度も何度もくぐることになるんでしょうね。