瑞峯院<大徳寺塔頭>(京都市北区)

訪問日:2005/07/22

四番手の魅力

大徳寺には、常時公開されている塔頭寺院が四つあります。大仙院、龍源院、高桐院、そして瑞峯院。どのお寺もそれぞれの美しい個性を持った名刹ですが、いつも瑞峯院は四番手の末っ子扱い。国宝や見どころの多い他の三つの寺院に先を譲るといった印象がついて回ります。
でも、瑞峯院には他の塔頭寺院に決して負けないものがあります。それは、突き抜けた明るさ。僕は瑞峯院の陽気が、ことのほか大好きです。
この日は、梅雨の間を縫って久しぶりの晴れた一日。こういう時に瑞峯院を訪ねると、いいことが待っていそうな気がするんですよ。

白砂が陽に輝く

僕が訪れたときはちょうどお茶会が開かれていたらしく、境内にはきれいな和服に身を包んだ女性の方がたくさんいらっしゃいました。庭をバックに撮影会が開かれたり、大きな声でおしゃべりが始まったり。ただでさえ陽気な瑞峯院が一際賑やかな雰囲気に包まれていました。
庭一面に敷かれた白砂が強い陽に照らされて、まるでこの賑わいを楽しんでいるようにきらきらと輝いて、とってもきれいでしたよ。

石の集会所

瑞峯院には、方丈の表側と裏側にそれぞれ庭があるのですが、どちらも明るい白砂が敷き詰められた枯山水庭園です。表側の庭が若干大きめで腰掛けて眺めることが出来るので、みんなここでのんびりと時を過ごします。名前を独坐庭といいます。
この庭の右側に石がわらわらと寄り集まっている箇所があるのですが、なんだか石の集会所みたいで楽しいんですよ。石の笑い声が聞こえてくるとでも言うのでしょうか、その様子はとても楽しげです。
人も笑顔なら石も笑顔。瑞峯院はそんなお寺です。

長閑な眠りの世界

方丈の裏側にある庭は、先ほどの独坐庭とは打って変わって、広々とした白砂の海にぽつんぽつんと石が浮かんでいます。名前を閑眠庭といいます。
確かに石はぽつんぽつんですが、寂しげという印象はまるでなく、ゆったりとした空間の中を伸び伸びと泳いでいるような心地よい眺めです。
空を見上げれば雲が泳ぎ、庭を眺めれば石が泳ぐ。どこを見てものんびりのんびり。“閑眠庭”とはよく言ったものです。長閑な眠りの世界が、ここにはあります。

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