訪問日:2004/06/17
この日の安倍文殊院では、春咲きコスモスが境内を埋め尽くしていました。風に揺れるコスモスの花は、まるでマラソンの沿道から手を振る観客のよう。賑やかに艶やかに、僕を迎えてくれました。
こういうほのぼのとした温かさが、よく似合うお寺です。以前訪れた時にも境内にヒーリング・ミュージックのようなものが流れていて、お寺の雰囲気に合った優しい雰囲気を作り出していました。
いつ行っても間違いはありません。ふるさとのおふくろさんのように、温かく優しく迎えてくれます。
そんな柔和なお寺だから、始終リラックスできます。僕は仏像や建物そっちのけで長々と読書に勤しんだりします。
旅ってこういう場所を見つけることができるからいいな。普段の生活からは想像もつかないような満足感がここにはあります。
この日もしばらくは境内をぼんやりと眺めたり本を読んだりしていました。なんて幸せな時間を過ごしているんだろう! と思いましたね。
本堂には、ご本尊の渡海文殊菩薩が安置されています。
「渡海」というのは、仲間とともに海を渡っているところを表したものだそうです。その仲間というのが、老人や子供などバラエティに富んだ四人組なのでとても楽しい道中に見えます。
しかし、問題は文殊菩薩が乗っかっている獅子です。「楽しくな〜い。帰りた〜い」と言わんばかりの泣きそうな困惑顔。何があったのかとても気になります。
僕の予想はこうです。「俺、泳ぎ苦手なんだよなぁ。だいたい海を渡るのに、なんで獅子に乗っかっていくんだよ!」
誰か正解を教えてくれませんか。
文殊池に浮かぶ金閣浮御堂は、昭和60年に造られた新しいものです。にも拘らず、今では境内の顔としてすっかり馴染んでいます。このお堂が無ければ無いで美しい光景があったと思うのですが、あることによって生まれる光景の美しさとは比較になりません。
いわば金閣浮御堂は、昭和になってかっ飛ばした大ホームラン。近年になって、安倍文殊院に新たな1ページが加わったというわけなのです。