飛鳥寺(奈良県明日香村)

訪問日:2005/03/06

飛鳥に来ると子供に帰る

子供の頃、父親に連れられて幾度となく飛鳥を訪れたものです。オレンジのレンタル自転車を漕いで、父親の後ろを必死になって追いかけていたことを今でも思い出します。
寺社巡りの楽しさに気づいたのも、おそらくその頃のことだったのでしょう。飛鳥寺をはじめとして岡寺、橘寺など、飛鳥の数々のお寺を巡った記憶もハッキリと残っています。
飛鳥は、僕の寺社巡りの原点といってもいいかもしれません。

その傷は勲章なのだ

飛鳥大仏でよく言われるのが痛々しい補修の後なんだけど、僕はこの傷はなかなか立派な勲章だよなぁと思います。
とにかく生き抜いてきたんですよ、この仏さまは。長い日本の歴史を死なずに生き抜いてきた。それだけで、僕は飛鳥大仏をカッコいいなぁと思います。
穏やかなように見えるその表情にも、どこか修羅場をくぐり抜けてきた男の強さが滲み出ているような気がします。

世界は窮屈じゃない

飛鳥に来ると、実は世界は窮屈じゃないということがよくわかります。景色も広々としているから、心も広々としてきます。そんな広々とした世界の中で、今の飛鳥大仏はどれだけ幸せな気持ちでいることだろうと思います。
飛鳥寺の裏に回れば入鹿の首塚という小さな石塔がぽつんと建っているのだけれども、思えばこの蘇我入鹿も波乱万丈の人生を生きた人でした。けれども、この首塚も今はのどかな世界の中で、実に幸せそうな面持ちで佇んでいるのです。

飛鳥って、人生の傷を癒すところなんだと思います。

なにもかもが心躍る

誰もあまり言及しないけれども、金堂裏にある中庭が大好きです。小ぢんまりとしたスペースの中に、石塔や燈籠、木や苔のひしめき合うなかなかに賑やかな庭です。
なんだか立食パーティーみたいな乱雑さもありますが、それがまた楽しかったりします。飛鳥にいると、木も草も、そして石塔も石燈篭も、みんな心がウキウキしてくるんだろうなと思わせるような、楽しい楽しい庭なのです。

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