大安寺(奈良県奈良市)

訪問日:2004/11/15

素朴な仏像がいっぱい

大安寺の宝物館に入ると、そこには素朴な七体の仏像が横一列に並んでいました。
こんなに飾り気のない仏さまばかり並んでいるのを見たのは、初めてのことでした。
もしかすると、僕が曇り空の平日に不意にやってきたもんだから、身づくろいをするヒマさえなかったのだろうか。ふと、そんなことを思いました。
だけど、これでよかったのです。飾らないことの大切さ。それが、この仏像たちが言いたかったことだと思うのです。

かわいい四天王現る

七体の仏像は、真ん中に不空羂索観音、その両隣に楊柳観音と聖観音、左右の端には四天王が二体ずつといった配置になっていました。
最初に目が行ったのは四天王でした。子供のように背丈の低い、かわいらしい仏像です。動きも穏やかで、どちらかというと舞を舞っているような印象さえありました。
それでも四天王は、よく動いている方です。後の三体の仏さまはみな直立不動で、何を語ろうと言うわけでもなく、静かにそこに佇んでいるのです。

汚れなき仏さま

宝物館の仏像を見ているうちに、“汚れ(けがれ)なき仏さま”という不思議な言葉が浮かんできました。
仏さまなんだから、汚れがないのは当たり前なんだけど、それでもこの仏像たちを見ていると、他で目にする仏像よりも純粋で真っ白な心を持った仏さまのように思えてくるのです。
最初にも書いたとおり、それがこの仏像たちの一番言いたかったことだと思います。飾らないことの大切さです。目立たず、地味な格好をしているけれども、そこから滲み出る純粋さがどれだけ美しいことか。
僕はこの仏さまたちのように、何も飾らずに世間の中に立ち続けることができているだろうか?

いろんな空想が通り過ぎていく

結構熱心なことを書いてきたけれども、実際は夢中で見るというよりも、ぼんやりと眺めていたような気がします。大安寺はのどかなお寺だし、目を凝らして仏像の細部を見つめるというのもそぐわない様な気がします。
なんだか一列に横に並んでコーラスグループみたいだなぁとか、不空羂索観音を中心とする家族見たいだなぁ、家族だったら四天王は四人のやんちゃ坊主だなぁとか、まあ多くの時間をそんな空想に当てていたわけです。いずれにしよ、浮かんでくる空想は楽しいものばかり。
不空羂索観音が優しげなまなざしで僕の空想を読み取って、一緒になって楽しんでくれているような気がしました。

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