法華寺(奈良県奈良市)

訪問日:2005/04/03

法華寺のフレッシュマン

法華寺の本堂前にある池の中に、シャレた建物が建っていました。以前訪れた時にはなかった建物です。
そうか、法華寺のフレッシュマンなんだ。この日は四月もまだ始まったばかり。僕の空想は自然と、“希望に目を輝かせた新入社員”というところにたどり着きました。
新しい息吹は、どんな世界においても常に活気と刺激を与えてくれます。法華寺のフレッシュマンは、このお寺の長い歴史の中でどんな役割を果たしてくれるのでしょうか。

木の命が伝わってくる

この日は、本堂で秘仏の十一面観音像が公開されていました。
僕はいつも、この仏さまに宿った木の命の存在を思います。くすんだような色合いや胸の辺りの光沢、美しい木目など、どこを見ても、生々しい木の生命感がひしひしと伝わってくるのです。
この仏さまが作られてもう千年以上の長い時間が流れてしまったんだけど、木はその時命を失ったんじゃなくて、そのまま仏さまの命になったんじゃないかなと僕はなんとなく思ってみたりします。

ひな会式のお遊戯会

ところで、この日はひな会式と呼ばれる法要の期間中でした。ひな会式という名前は、ご本尊の十一面観音の前に可愛らしい善財童子の小像が50体並べられることに由来しています。
これがまた、随分微笑ましいことになっているわけです。みんな小さいながらも思い思いの愛らしいポーズでちょこんと立っています。それは、まるで幼稚園のお遊戯のようでした。
ひょっとして、この可愛らしい子供たちを見るために、ご本尊は重い扉を開けて出てこられたのではないだろうか、そんなことさえ思ったくらい楽しい楽しい光景でした。

団体さんと鉢合わせ

法華寺というお寺は元来静かなお寺なのかもしれませんが、この日はツアーの団体さんもひっきりなしに訪れて、境内は常に賑やかな様子でした。
実は、十一面観音像もたくさんの人に囲まれながら見てたんですよ。実にタイミングバッチリで団体さんと鉢合わせしちゃいました。加えて、50体の善財童子でしょ? そりゃあもう、うるさいくらいに賑やかな本堂でした。
けど、ご本尊を見てると、なんだかこの様子を楽しんでいるように思えましたよ。普段は暗い厨子の中にこもっていらっしゃいますからね。たまに出てきて、この賑やかな様子だと、そりゃあ楽しい気分になるのは無理もありません。
いっそのこと秘仏なんてやめて、ずっと扉を開けていよっかなぁなんて思い始めているかもしれません。

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