訪問日:2004/12/11
冬なのに、この暖かさはなに?
そんな思いを胸にてくてくと歩く斑鳩の町。
ぽかぽか陽気がよく似合う町です。こんな日にこの町を歩くと、青空の中を泳いでいるような晴れ晴れとした気持ちになります。
法隆寺から法輪寺、法輪寺から法起寺と、疲れやすい身体ということも忘れて、一日をかけて斑鳩の散歩を楽しみました。
法隆寺に来ると、いつも青空が広がっているような気がします。もちろんこの日も例外ではなく、西院伽藍の金堂や五重塔も青空の下でとっても気持ちよさそうに見えました。
ただ、残念なのは金堂の中にまでこの気持ちよさが伝わっていないことです。僕は金堂に入るたびに寒々としたものを感じます。いつも、暗くて冷たいのです。
堂内の仏像も、暗闇の中から無表情にこちらを見つめているのみです。
だから、僕は思うのです。このお堂の窓という窓を全部開けっぱなしにして、堂内に外の光をいっぱい入れるんですよ。そして、仏像たちに外の様子を見てもらって、どれだけのどかで楽しいかを知ってもらう。
そうすれば、きっと仏像たちも柔和な表情に変わってくれると思うんですよ。
いつものように西院伽藍から大宝蔵殿と来て、最後に訪れたのが東院伽藍です。
ご存知、八角形の玉手箱・夢殿があるところです。不恰好だけど愛嬌のある夢殿は、僕のお気に入りの建物です。これを見ていると、小さい頃に姉が持っていた蓋つきの小物入れを思い出します。
姉の小物入れには、わけのわからないガラクタがたくさん入っていましたが、夢殿には神秘的な秘仏・救世観音像がいらっしゃいます。子供の頃、父親とこの仏像を見に来て大はしゃぎしていた時のことを、今でも思い出します。
夢殿の救世観音が公開されているのは、春と秋のほんの少しの間だけで、この日は厨子の扉はしっかりと閉ざされていました。
けれども、夢殿には他に楽しいものがあります。吊り目の行信僧都、タレ目の道詮律師というお坊さん二人の坐像です。
子供の頃から、吊り目の行信さんは怖そうだなぁと思っていました。いつも怒ってるような顔をされています。逆に、道詮さんはおっとりとした顔の優しげなお爺さんです。
この二人、あまりにも対称的な表情をしているもんだから、長い間同じ堂内に一緒にいて、うまくやっているのかちょっとだけ心配になります。