法隆寺2(奈良県斑鳩町)

訪問日:2006/03/05

父の入院から始まった僕の旅

今でこそほぼ毎週のように寺社巡りに出かけている僕ですが、そもそものきっかけは父の入院でした。寺社巡りの好きだった父がある時大病を患ってしまい、それ以来旅が出来なくなってしまったのです。
そこで、僕が代わりに行って病床の父に報告して楽しんでもらおうと思ってはじめたのが、この長い寺社巡りの始まりでした。そして、その第一弾として選んだお寺が法隆寺だったのです。
デジカメで撮ってきた写真とその感想を簡単に書いて、父だけに見せるためのホームページを作りました。父はとても喜んでくれました。“特に文章がいい”と褒めてくれたことが、今でも忘れられません。
法隆寺は、僕の寺社巡りの原点です。ここに来ると、いつもホームページを喜んで見てくれた父のことを思い出します。

五重塔の四本の鎌

子供の頃、よく父に法隆寺へ連れて行ってもらったものです。そこでいつも父が話してくれたのが、五重塔の相輪に引っかかっている四本の鎌のことでした。写真のように、相輪の根っこの部分に大きな鎌が掛かっています。
子供の僕は、この鎌がなんかのきっかけで落っこちて、誰かの頭に刺さったりしやしないか心配で仕方ありませんでした。もしかすると、誰かとんでもない大悪人が通りがかったときに、すとーんとこの鎌が落ちてきて、天罰みたいなことになる仕組みになってるんじゃないかなぁなんてことも思っていました。
昔から、そんな空想ばかりしていたんですね。

優しいお地蔵さま

さて、宝蔵院。ここにある寺宝を一つ一つお話していけば、千夜一夜物語のようにきりがなくなってしまいます。そこで、今回は一夜分のお話だけを。
この日は、大きな木造のお地蔵さまをじっくりと見てきました。静かに立っていらっしゃるのに“ずしーん”という音が聞こえてきそうな、重厚な仏さまです。
でも、お顔がとっても美しい。口元がとっても優しいのです。
真横から見るときはなるべく近づいて、正面から見るときは少し離れて。それが、僕のベストポジション。お地蔵さまの包容力のある大きな優しさが、ひしひしと伝わってきます。

法隆寺の警護隊長

西円堂から始まって、西院、大宝蔵院、東院と巡ってきて、長い長い法隆寺の旅を締めくくるのが、いつもこの鐘楼です。僕は、このダイナミックな鐘楼が、昔から大好きでした。
その力強い佇まいを見るにつけ、僕には法隆寺を護る騎士のように思えて仕方ありません。ほら、大きく反り返った屋根が鉄の兜のように見えてきませんか?
“歴史あるこの大寺院を、命を懸けて護り抜いてやる!”そんな気概と誇りが、彼の立ち姿には感じられます。
おかげで、ごらんよ。この日も法隆寺は抜けるような青空の下、人の笑顔であふれてる。
“そうだろ、俺がここでしっかり見張ってるからさ”この日の警護隊長は、いつにもまして得意げに、僕の心に語りかけてくるような気がしました。

・法隆寺(2004/12/11)

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