宝山寺(奈良県生駒市)

訪問日:2004/08/13

門前町

生駒ロープウェーの駅を降りると、そこには下町風の気取らない町並みが広がっています。
けれども、ここはいつ訪れてもとても静か。喫茶店だとかお土産を売る店なんかもあるのですが、開いているのか閉まっているのか、人の気配があまり感じられません。
僕は宝山寺というと、境内よりもまずこの不思議なテンションの町並みを思い浮かべます。
宝山寺も不思議な雰囲気に包まれたお寺だけれども、門前町もちょっと不思議。どことなくジョルジュ・デ・キリコの絵の世界を思わせるちょっと幻想的な町なのです。

願いの渦

宝山寺には歓喜天という現世の願いを聴いてくれる神様がいらっしゃるのですが、そのせいかこのお寺を訪れる人の祈りにはとても熱い想いがこもっているような気がします。
例えばこの日、お払いを受けるかどうかということで激しく揉めている家族がいました。 娘さんは絶対イヤだと言い、お父さんは「聞き分けのない子だ」と言った様子で憮然としています。そうこうしている間にも、お堂の中では別の家族がお払いを受けています。
更にはお堂の外では手をあわせて熱心に何かを祈る人の姿が見受けられます。
みんな本気です。僕のようにカメラ片手に暢気に境内をぶらついている人は誰もいません。
篤い祈りに支えられたこのお寺は、とても強い力に支えられているような気がします。宝の山のお寺と名づけられた宝山寺だけど、毎日引っ切り無しに参詣する人々の想いこそきっとこのお寺の宝の山なんだなぁと僕は思うのです。

神と仏ががっちり握手

写真を見てください。狛犬がお寺の本堂を見上げています。神社だかお寺だかよくわかんない。
宝山寺は歓喜天という神さまが有名なのですが、あくまでもベースはお寺。たくさんの仏像を見ることが出来ます。面白いのは文殊菩薩は文殊堂、十一面観音は観音堂といった具合に、それぞれの仏像のお堂が建てられていることです。仏さまもとても愛されていることがわかります。
かと思えば、境内の真ん中にどーんとでっかい鳥居が立っていたりして、神さまチームも負けていません。この神仏の共存、なかなか平和的で楽しい雰囲気さえ感じられます。モスクや教会がここに進出したとしても、きっと仲良くやっていけるんじゃないかな。

獅子閣

宝山寺は観光寺院ではないので、観光気分まんまんで訪れている僕はちょっぴり肩身の狭い思いに駆られるのですが、そんな中で観光的な要素を持つ建築物が境内の一角にあります。獅子閣です。
獅子閣は明治時代に作られた西洋建築で、窓にステンドグラスなんかがはめられていて、とってもオシャレな仕様になっています。
個人的には柱や扉の彫刻に洒落たセンスを感じます。しかし、伝統あるお寺に堂々とでっかい西洋建築を作ってしまうその意気込みが何よりも素晴らしいと思います。

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