訪問日:2006/06/11
東大寺に行くと、大概セットで依水園も訪ねているような気がします。依水園は奈良にある庭園の中でも、一際広大な敷地を持つ壮大な名園です。
スケールの大きな東大寺の後に訪れる、大きな大きな庭。ここに来ると、心の中に広い空を作って、そのまま持って帰ってくるような大らかな気持ちになります。
いつもは比較的静かなこの庭も、この日は団体さんなんかも訪れてなんだかとっても賑やかな雰囲気。普段とは違う依水園を楽しむことが出来ましたよ。
前園の池の傍らでは、庭師のおじさんが手入れの真っ最中でした。足元に置いたラジオが、がんがん鳴ってます。おじさん、も少しボリューム絞ってよとも思ったのですが、まあそんなのん気な雰囲気もまた依水園なのかも知れません。
でもね、外で聞くラジオの音ってだんだん眠くなってくるんですよ。ましてや眼前には、草木のあくびさえ聞こえてきそうなのどかな庭園ですからね。折からの寝不足も重なって、少しうとうとしてきました。
こういう時は、三秀亭の縁側に腰掛けて一休み。心地よいまどろみの中、のんびりとした時間をやり過ごしました。
どこまでも広がる無限の後園。これがあるから、僕にとって依水園は永遠です。
この広々とした美しい楽園を、ゆっくりと時間をかけて歩き回るのもいいけれど、やっぱり静かにじっと眺めているのが大好きです。
手前に大きな池があって、その周囲に置かれた植え込みがどんどん、どんどん遠くへとつながっていき、次第にそれは高い木々の集まりになり、その向こうには大きな山。すべてのものが鎖のようにつながって、一枚の素晴らしい絵を描き出しています。
そして、横から気恥ずかしげにちょこんと顔を出している東大寺南大門の屋根。間近で見ると、とてつもなく巨大な南大門も、ここではかわいらしい脇役です。
昔から変わらないこの風景。いつでも、僕を心の底から楽しませてくれます。
後園の水車小屋を上がったところに、花ショウブかアヤメかカキツバタか僕には区別がつかないんだけど、とにかくきれいな花がたくさん咲いていました。僕もたくさん写真を撮ったけれど、後から来たご夫婦も熱心に写真を撮っていらっしゃいました。
伸び伸びと大きく開いた花。生きる喜びを、全身を使って表現しています。
こんな草花の活力もまた、依水園の壮大なパワーを支える源でもあるのでしょう。そう思うと、石だって水だって、そして遠くに見える山だって、“僕たちもパワーの源だよ!”と声を張り上げているような気がします。いろいろな活力に支えられて作られる依水園。いつだって、元気いっぱいの庭です。