子嶋寺(奈良県高取町)

訪問日:2005/06/19

なかなかたどり着けない

近鉄の壺阪山駅を降りて、周辺の道をぐるぐる、ぐるぐる。歩けども歩けども目的の子嶋寺の姿はなかなか見えてきません。
おかしいなぁ、ちゃんと標識の指すほうに従って歩いているんだけど。
それで、長いこと迷った末にようやくたどり着いた小さな子嶋寺の山門前。
何をそんなに疲れた表情をしているの? とばかりにのほほんと僕を迎える子嶋寺。
やれやれ、これでつまんないお寺だったら承知しないぞ、と僕。

知らない日常に触れる

けど、山門をくぐると、ああ、大好きなお寺だと思いました。僕にはピンと来たのです。
狭い境内の中に可愛らしい本堂がちょこんと建っている、ただそれだけのことなのに、そのささやかな光景がとても美しいのです。
最近、こういったなんでもない風景に、とても憧れるようになって来ました。僕の全然知らない日常が、そこにあるような気がするからです。なんでもないことが、実は日々の積み重ねなんですよね。
近頃では、寺宝や建築を見ることだけでなく、日常に触れることも旅の大切な要素だと気づいてきた僕です。

思いのほか充実の本堂

本堂に上がらせていただきました。思いのほか広い堂内で、思いのほかたくさんの寺宝が並べられていてちょっとビックリしました。
仏さまはどれも小ぶりなものばかりで、統一感もなくばらばらと並んでいる印象でしたが、それがまた賑やかな感じがしていいんですよ。どの仏さまも子嶋寺を楽しんでいるなぁと思いました。
ご住職が見ているテレビの音が始終聞こえていたのですが、こんなのどかなお寺ではそれもまた心地いいBGMです。

子嶋寺の大きな光

小寺には小寺の魅力がある。子嶋寺の楽しさは、まさに小寺ならではのものです。ささやかな光もたくさん集まれば、大きな光となる。僕は、そんな子嶋寺の光が大好きです。
帰り道。なかなかたどり着けなくて不安だった行きとは違って、とても爽やかいい気分。ビュンビュン車の走り抜ける大通りも、どこかのどかな匂いが感じられて、歩くのが嫌いな僕には珍しく、ずっと歩いていたいなと思ったのでした。

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