霊山寺(奈良県奈良市)

訪問日:2006/08/27

一見レジャーランドのよう

神秘的な名前とは裏腹に、バラ園や温泉、挙句の果てにはゴルフの練習場まであったりするお寺、霊山寺。仏教を楽しんじゃえ! というスタンスなのでしょうか、そのお気楽な雰囲気はどこか楽しく、そしてほのぼのと嬉しくなってきます。
でも、それだけで終わらないのがこのお寺の凄いところ。境内を少し先に行くと、国宝の本堂をはじめとして、美しい塔やお堂の数々が建ち並んでいます。すっかり古寺の雰囲気なのです。
この使い分けのうまさが、きっとこのお寺のセンスのよさなんでしょうね。

金と銀を地味に使う

センスの良さということでいえば、境内の一画、それも目立たないところに黄金殿・白金殿という二つの建物がひっそりと建っています。名前からもわかるように、それぞれ全身を金と銀で包まれた小さなお堂なのです。
金と銀ということで、なんだかとっても派手な建物なんじゃないかと思いきや、全然そんなことはありません。むしろ地味。金と銀をこれほど控え目に、それも品のよさを出しつつ使うそのセンスは、とても優れたものだと思います。

小さな世界の中で

賑やかな境内の雰囲気とは裏腹に、ひっそりと佇む国宝の本堂。外見はとても質素。中に入ってみても、やっぱり質素。もともとは、落ち着いた閑寂の山寺であったことを、この本堂は教えてくれます。
ご本尊は秘仏のようで、厨子の扉はしっかりと閉ざされています。小さな厨子です。きっと、中の仏さまも小ぶりなんでしょう。左右で警護に当たる十二神将も、とっても小ぶりです。
コンパクトに美しい霊山寺本堂の世界。小さな厨子の中で、ご本尊はきっと静かな美しい夢を見ていらっしゃることでしょう。

男勝りの女の子

境内の小さな丘の上に、極めて形のいい三重塔が建っています。切れ味鋭い三枚の屋根も男らしくてカッコよければ、妙に逞しく立派な相輪も堂々としてカッコいい。でも、全体として見るとしなやかで端麗、女性的な優雅さを感じさせる不思議な塔です。男勝りの女の子といったところでしょうか。
この塔を眺めているときに、どこからかカミナリが鳴り出しました。この後、急に激しい雨に見舞われるのですが、このときはまだそれを知りません。どっからでもかかってきなと言わんばかりの堂々とした佇まいに、カミナリの音が妙に似合っているような気がして、じっと見惚れていたんですよ。

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