訪問日:2005/02/06
新薬師寺のすぐ近くに、写真のようなハニワが立っています。
僕はこのハニワと並んで写真を撮ったことが一度だけあります。それはもうずっと昔、まだ小学校に上がるか上がらないかの時代のお話です。
その頃は、まだハニワと肩を並べるほどの背丈もなかった僕でしたが、今ではすっかり大きくなってハニワを見下ろすまでになりました。僕はどんどん変わっていきましたが、ハニワはいつも変わらぬ姿で僕を迎えてくれます。
「また来たの」
「また来たよ」
新薬師寺を訪れるたびに、旧知の仲ともいえるこのハニワとまず挨拶を交わします。
もう何度も書いていることだけれども、子供の頃、新薬師寺の十二神将が僕のアイドルでした。
もっとも、正確に言うと僕のアイドルだったのは十二神将の絵葉書。初めてこのお寺を訪問した時、父親にねだって買ってもらったものです。
それから、僕は毎日飽きもせずにこの絵葉書を夢中で眺めていたものです。今でも新薬師寺を訪れると、その時のことをまず思い出します。
子供の僕がどうして十二神将の絵葉書にそれほど魅力を感じたのかというと、たぶん単純にカッコよかったからなんですよ。ゴレンジャーと同じ。十二神将って、ヒーロー戦隊モノなんですよ。さまざまな個性が一つの力となって強大な敵に立ち向かうんです。
たぶん、天平時代の人々も同じようにそのカッコよさに惚れ込んだんじゃないかな。不安だったり病気だったり災害だったり、そんな自分じゃどうしようもないものを十二人のヒーローがカッコよくやっつけてくれることを期待したんじゃないかな。
もっとも最近のお気に入りは、ご本尊の薬師如来さまです。おめめぱっちりの、美人さんなんです。おまけに鼻筋がきれいに通っていて、左斜め横から見るととっても美麗なんです。
十二神将が剛なら、ご本尊は柔です。このバランスのよさが、すなわちこの本堂の空間の美しさに他ならないのではないでしょうか。
ご本尊も頼れる部下たちにぐるりと囲まれて、安心してこんなに柔和な表情になったんだと思います。きっとそうに違いありません。