橘寺(奈良県明日香村)

訪問日:2005/03/06

一年を通して、ずっと春

橘寺は、天才的にのんびりとしたお寺だなと思います。
周囲を見渡せば、のどかな田園風景。境内を覆う広大な空。雨の日でも冬の日でも、橘寺を訪れるといつもぽかぽかとした温かい気持ちになります。
つまりは、橘寺って一年を通してずっと春なんだと思うのです。夏も秋も冬も全部、春。大雨でもカミナリが鳴っていても、いつも春の陽気に包まれているようなお寺なんです。
目を見張るような寺宝はまるでないんだけど、なんて気持ちのいいお寺なんだろう!

本堂をぐうるぐる

本堂の中央にまつられているご本尊は、聖徳太子です。そういえば、同じようなのんびり寺の京都・広隆寺でも、聖徳太子がお堂の中央にまつられていたなぁと思います。太子って思いのほか、のんびりに縁があるような気がします。
堂内は、太子像を中心にぐるっと一周するようになっています。これが、またのんびりとした雰囲気に包まれて心地よいのです。一周しただけではどうも飽き足らない。二周すると、どうしてももう一周したくなる。三周目でようやく満足。
さすがの聖徳太子も、これには呆れ顔かもしれません。

仏さまものんびり顔

こんなのんびりとしたお寺にいると、仏さまだってのんびりとした気持ちになるに違いありません。その証拠に、観音堂の如意輪観音のお顔の、のほほんとした表情はどうだろう!
ともすれば「ふわ〜っ」とあくびが出そうなお顔をされています。僕はこの仏さまを見ていると、だんだん眠くなってきます。仏さまも、僕の眠そうな顔を見て「眠い!」と思っているに違いありません。仏さまのほうから「私も寝るから、そこで寝ていいよ」とか言ってくれたなら、僕も気兼ねせずにごろんと横になって眠れるのになぁと思います。

色鮮やか天井画

寝転がるといえば、実はごろんと寝転がって見るべき鮮やかな天井画が、往生院という建物の中にあります。全部で260枚、すべて美しい花の絵です。
僕は遠慮なく畳の上に寝転がって、これらの天井画を思う存分楽しみます。どれも近年になって描かれた絵ですが、新しいだけに鮮やかな色彩が目を引きます。こうやって、新しい寺宝がどんどん増えていくのはとてもいいことだと思います。お寺が今も生きているという気がします。

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