訪問日:2005/06/19
奈良のお寺が大好きという人はいっぱいいるけれども、彼らの間で壺阪寺の話題が出ることはあまりないような気がします。
不思議だなぁと思います。こんなに楽しいお寺は他にないのに。
僕のように遊びをベースにお寺巡りをしているような人なら、壺阪寺の楽しさはきっとわかるはず。ちょっと安っぽくて、ちょっと神秘的で、ちょっと和んで、ちょっとバカげてる。いろんな角度から楽しめるお寺、それが壺阪寺です。
壺阪寺のご本尊は八角形のお堂に入った、でっかい十一面千手観音像です。“十一面”とつくと、なんとなくしなやかで女性的なイメージを思い浮かべがちなんですけど、とんでもない! かなりワイルドなお顔立ちをされた男性的な仏さまなのです。
迫力あるなぁと思います。なんだかゴゴゴゴォと熱い炎に包まれているような、そんな仏さまなんです。
ちょっと異様なオーラを放出しているご本尊。でも、おすましさんなご本尊の多い中、この仏さまはいかにも“張り切ってます!”という雰囲気が伺えてとっても楽しいのです。
壺阪寺って、こういう妙な力の入り具合がまたいいんですよね。
境内にはインド風のでっかいレリーフがあったり、派手な建築がたくさん建っていたり、割り合い賑やかな雰囲気になっています。そんな中、地味な風貌が逆に強い印象を残すのが三重塔です。
それは、まるで派手好きの若者たちを悟りきった表情で眺める老人のようです。その落ち着きっぷりは、堂々としていて立派だなぁと思います。
一見目を惹くようなところはないのだけれど、じわじわと心に沁みてくる名建築だと思います。
さて、壺阪寺の話題で欠かせないのが、境内の一等高い場所にある二体の巨大な石仏です。一体はどーんと直立していてなかなか迫力がある仏さまなのですが、もう一体は横たわった仏像、つまり涅槃仏です。これが、どう見ても気持ちよさげに昼寝しているようにしか見えません。のどかな高台で、涼風に吹かれながらのんびりお昼寝。羨ましくなるくらいぐっすりと寝ています。
壺阪寺で一番大好きな光景です。