道明寺(大阪府藤井寺市)

訪問日:2005/09/18

清楚で爽やか、サイダーのような境内

日本には、国宝の十一面観音像が七体あるそうです。
ほとんどが京都と奈良に集中しているのですが、そのうちの一体があまり名の知れていない大阪の小寺にあります。道明寺です。

この日が初訪問だったのですが、境内に入ってみて思いました。ホントに、こんなところに国宝の仏さまがいらっしゃるのかなぁ、って。それくらい小ぢんまりとしたささやかな境内だったんですよ。
けれども、清楚な雰囲気が胸空くような心地よさです。きっと美しい仏さまに違いない。期待に胸が膨らみました。

そのシルエットが素晴らしかった

それは、思いのほか小さな仏さまでした。仏像というよりも、お人形さんと言った方が合っているんじゃないかと思うくらい、可愛らしい容姿でちょこんと立っていらっしゃいます。
そして、少し離れた位置から見た時のシルエットが惚れ惚れするような美しさなのです。
僕は美しい曲線をこれまでにたくさん見てきたのですが、間違いなくこの仏さまの紡ぐ身体の曲線は最も美しいものの一つです。曲線が肌を優しくなぞるように、するするする〜と仏さまの身体を作り上げています。僕は、曲線に篭もる温かい意思の力を感じずにはいられませんでした。もうこれだけで、この仏さまに会えてよかったと思いましたよ。

近くで見てもまた美し

このご本尊、近くで見てもまた美し、です。とっても和んだお顔をされているんですよ。この優しさは、まるで道明寺の境内そのもの。きっと、この仏さまの見る夢が、そのままこの境内になったに違いない、と思いました。
でも、離れて見てる方がやっぱり格段にいいな。このシルエットは、まさに奇跡以外の何物でもありませんでした。人の手で生み出された最も美しいラインが、ここにあると思いました。僕は仏さまの真正面に座って、いつまでもこの美しいラインを眺めていたい気持ちでいっぱいでした。

暑さもまるで感じない

それにしても爽やかな境内でした。
まだ残暑厳しく、直射日光がガンガン降り注ぐ一日でしたが、それでもあまり暑さを感じなかったのは、このお寺が元々持っている清涼のおかげだったに違いありません。
セミが最後の命の灯を振絞るように力強く鳴いていましたが、それさえもどこか涼しげなBGMに思えるのでした。

大阪にもある、こんな奇跡。だから、寺社めぐりはやめられないのだ。

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