訪問日:2006/06/18
聖徳太子の眠るお寺、叡福寺。以前から一度訪ねてみたいと思っていたお寺です。
少し急な石段を上って、小ぶりの山門をくぐると、思いのほか広い境内が待ち構えていました。立派な多宝塔や大きな本堂をはじめ、お堂がたくさん建っているのが見て取れます。
ちっちゃなお寺を想像していただけに、少し面食らった部分もありました。でも、それは嬉しい予想外。なんだか、広々とした境内にいっぱい楽しいことが潜んでいそうです。僕の期待は大気球のように、ぐーんと膨れ上がったのでした。
山門からまっすぐ歩いていくと、一段上がったところに太子のお墓があります。なんでも、ここには太子のお母さんや奥さんも一緒に眠っていて、三骨一廟と呼ばれているそうです。
聖徳太子にまつわるお寺は概ね庶民的で陽気なお寺が多いのだけれど、ここ叡福寺とて例外ではありません。それゆえに、お墓といえども厳粛な雰囲気とは程遠く、“ああきっと極楽浄土でも幸せに暮らしているんだろうな”とほのぼのとした気持ちになってくるのです。
宝物館に入れていただきました。
取り立てて何があるというわけでもないのだけれど、藤原時代だとか平安時代だとか、いろんな時代の仏さまが同列に並んでいるのを見るのは、なかなか楽しいものです。と同時に、それがすなわち叡福寺の紡いできた歴史の証しだと思うと、感慨深いものがあります。
別の部屋には、聖徳太子の行ってきた徳を描いた絵が10枚ほど掛けられていました。貧しい人に施しをしてあげたり、憲法を制定したり。遥か昔から代々受け継がれてきた、“理想の日本人”としての聖徳太子の姿がそこにはありました。そういえば、もっとも長い間日本人に愛され続けてきた人は聖徳太子なのかもしれないなぁ、なんて思いました。
太子の眠るお寺が、温かい優しさに包まれた場所で本当によかった。心からそう思います。
きっと、その人柄がそのままお寺に乗り移ったんだろうなと思います。だって、ずっと境内の奥からこのお寺を見守り続けてきたんだもの。
もしかすると今の日本は太子の理想からは程遠いかもしれないけれども、少なくとも叡福寺にはちゃんと彼の理想の世界があるような気がします。きっと、これから先もずっとこの美しい世界は続いていくんじゃないかな。