葛井寺(大阪府藤井寺市)

訪問日:2005/09/18

のんびり、のん気な庶民のお寺

藤井寺の商店街を抜けてすぐ。賑やかな下町の中に、葛井寺はあります。
紛れもない庶民のお寺です。さほど大きなお寺というわけではないのですが、門前から境内に至るまでたくさんの露店が出ていて、結構賑わっています。近所からやってきたようなおばちゃんが、店の人と世間話で盛り上がっています。こういうの見ていると、なんだか得した気分になります。
この日はいいお天気だったし、山門の石段に腰掛けて一日中本でも読んでいようかなぁ、なんて気持ちになりましたよ。

されど、神秘の仏さま

さて、この日は9月18日だったのですが、この“18日”という日付は葛井寺にとって特別な意味を持っています。毎月一度、秘仏となっているご本尊の千手観音像が公開される日なのです。
前にも一度この仏さまを目にしたことがあったのですが、その時はあまりの神秘的な佇まいに、自分が別世界に飛ばされたかのような不思議な感覚を覚えました。庶民的な葛井寺の雰囲気とは、あまりにかけ離れた仏さまだったからです。
今回は二度目ということもあり、多少の心の準備は出来ているつもりでした。ところが、いざその姿を目にしてみると、やっぱり奇妙な感覚に囚われてしまうのでした。

不思議な感動が、そこにある

実際のところ、厨子の中が暗い上に、ロウソクの炎が眩しくてご本尊の姿はさほどはっきり見えるわけではないのです。それでも、みんな長い間かけてこのご本尊をじっと見ています。そういう仏さまなんですよ。
僕自身、仏さまそのものの姿に見とれているのか、仏さまの醸しだす神秘的なオーラに酔いしれているのか、なんだかよくわからないのです。なんだかよくわからないけれど、心の奥底にずっしりと重く響く不思議な感動があります。

再びのどかな境内

本堂を出ると、そこはまたのどかな庶民のお寺。ホッとします。
開扉中のご本尊も、本堂の中から遠目に境内の様子を眺めています。神秘の仏さまは、こののどかな世界に一体何を想うことでしょう。

僕は最初に思ったとおり、山門の石段に腰掛けて手持ちの文庫本を読み始めました。のんびりとした優しい時間が過ぎていきます。本堂での神秘的な体験のことなど、もうすっかり夢の中の出来事のようでした。

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