四天王寺(大阪市天王寺区)

訪問日:2004/08/25

笑顔を絶やさないお寺

昭和二十年、空襲により焼失する四天王寺をカメラが捉えた貴重な写真が残されています。この写真を見ると五重塔の全身が上から下まで真っ赤な炎に包まれているのがよくわかります。それは、まさに断末魔。この塔は昭和16年に造られたというから平和な時代を知らないまま無念の焼失を迎えたことになります。
この写真が強く印象に残っているのは、今の平和な四天王寺をよく知っているからです。
不思議だなぁと思います。四天王寺は、そんな悲劇のことなんておくびにも出さないのだもの。悲しみなんて知らないとばかりに暢気な顔して立っています。そして、その暢気な雰囲気に誘われて、毎日たくさんの人が集まってくるのです。
がんばれ、四天王寺。

五重塔は青春真っ只中

随分前からいろいろな所で言っているのだけれども、四天王寺の五重塔が大好きです。この塔に出会うことで、近代の寺社建築の魅力に目覚めたも同然です。歴史的価値という言葉があまり当てにならないのは、こういうことがあるからなのです。
明るい彩色のこの塔には、当然青空がよく似合います。空高くこれからももっともっと伸び続けていこうという力強い意志が感じられます。
つまりは、まだこの塔は青春時代なんですね。まだまだこれからいろんなことをやってやろうと思っているわけです。若さいっぱい、元気いっぱいの塔なのです。

しかし、日本最古のお寺でもある

このように四天王寺は若々しいお寺なのだけど、一方で日本最古の官寺という側面も持っています。実際文章にして読んでみると、この事実は凄い。
僕は歴史的なことについてはほとんど興味がないのだけれども、日本で最も古いお寺がいまだに瑞々しい輝きをもって賑わっているというのは、それだけで奇跡的なことだと思います。パイオニアが未だにトップ集団の中で走り続けているのです。
四天王寺は、スーパーおじいちゃんなのか、はたまた永遠の若さを持つピーターパンなのか。

ひしめき合うカメたち

ところで写真の六時堂の前にある池には、びっくりするほど大量のカメがひしめき合っています。その名も亀ノ池。いくらなんでもこの住宅事情はひどいだろうと思います。
こんなにひしめき合っててよく泳いでいられるなぁと思います。24時間大阪環状線のラッシュアワーに放り込まれたら、その気持ちがわかるのかなぁ。
けど、そんな状態でのんびりして見えるのだから、やっぱりカメは天才だなぁと思います。これはこれで、案外うまくやってるのかも知れませんね。

Copyright (C) hasegawa neco.All right reserved.