訪問日:2006/01/26
JR尾道駅を出て、ほんの5分あまり。独特の石畳の坂道が始まったと思ったら、すぐに不思議な形をした石の山門が見えてきました。
これが、僕と尾道との楽しい2日間の始まりでした。
ハロー、尾道。
石門は、むすっとしたように建っています。石だから冷たく感じるのでしょうか。少し寒かったけど、門にもたれかかってほっぺを当ててみました。冷たい!
けど、不思議ですね。目を閉じてそうやってると、次第に心が落ち着いて安心した気持ちになっていくんですよ。そして、そのまま10分ほど。
どっかで鳥が鳴いてる、あ、チリリンとベルを鳴らして自転車が通り過ぎる。
それは尾道の旅の、とてもいいスタートだったと思います。
“お粗末ですが”お寺の方は申し訳なさそうに言って、僕を本堂に上げてくださいました。
堂内には明るい日が差し、ほんわかとした気持ちのいい空気に包まれていました。ご本尊は、五劫思惟阿弥陀仏という、アフロヘアの仏さまです。長い間、じっと修行をされていたせいで髪の毛が伸び放題、それでアフロになっちゃったという、どことなくユーモラスな仏さまなのです。
もしかすると、堂内があまりのどかなので、散髪に行くのが億劫になっているのではないのかな。ふと、そんなことを思いました。
何があるというわけでもないけれど、このお堂の気持ちよさは格別です。いの一番に訪れたお寺でしたが、そのまま夕方までいてもいいかなと、ちらっと思ったくらいでした。
持光寺の庭。池があるでもなく、白砂が敷いてあるわけでもなく、つまりは普通の民家のお庭って感じなんですね。
そう、例えば小さな子供がここでなわとびしてたり、走り回って遊んでたりしてたら絵になるだろうな。さらには、縁側でそれをおじいちゃんが眺めてたりしたら完璧だろうな。
こんな庭も、またいいものです。
お寺の人が、背中に木材を担ぎながら通り過ぎました。なにか日曜大工でも始まるのでしょうか。のどかなお昼前のひとときです。
“ねえ、ここでキャッチボールしませんか”思わず、口をついて出そうになりました。
尾道では、持光寺を入れて五つのお寺を訪ねたのですが、最初に訪れたこのお寺が一番小さなお寺でした。
けれども、それは本当に美しい出会いでした。一番最初に訪れてよかった。心の底から思います。
最後に庫裏の戸を閉めてお寺を後にしようと思ったら、ガラガラとまた戸が開いて“どうも、ありがとうございました”とお寺の人が挨拶してくださいました。
どこまでも気持ちのいいお寺、それが持光寺です。