西国寺(広島県尾道市)

訪問日:2006/01/26

尾道の町が一望の下

石段が、お堂とお堂を結ぶ西国寺。上っては振り返り、上っては振り返り。どこで振り返れども、そこから眺める尾道の風景はきらきらと美しく輝き、訪れる人の目を存分に楽しませてくれます。
僕も石段に腰掛けて、遠くの尾道の町並みをのんびりと眺め続けました。“気持ちいいね”と、雲間から温かい陽射しが僕に語りかけます。何も考えずここに座っているだけで、心の垢がきれいさっぱり洗い流されていくような気がします。
今回の尾道の旅で、最も多くの時間を費やしたのがこの西国寺。目で見るよりも、心で感じる宝物が、至るところに散らばっているお寺です。

細かいことは気にしない

尾道のお堂って、どれもシンプルで力強い。“細かいことは、まあ気にするなよ”と、そんなスタンスで、建っているような気がします。それが、この土地ののどかな風土が生み出した、尾道様式とでもいうべきものなのかもしれません。
西国寺の金堂も、例外ではありませんでした。明るい朱塗りのお堂で、屋根の傾斜がゆるやかに、伸び伸びとして気持ちいい。凝った装飾も複雑な木組みもありませんが、堂々とした佇まいは、いかにも自信漲る力強さです。
“大切なのは、気持ちを大きく持つことさ。何ごともきっとうまく行く”金堂はそんなことを語りかけているような気がしました。
見ているだけで元気が湧いてくる、そんな頼もしいお堂です。

振り返ると、甍の競演

石段をさらに上ります。行き着く先はどこだろう。
途中で振り返ると、下に居並ぶ数々のお堂が甍を競う美しさ。まるで屋根のファッションショーのごとき様相を呈しています。
本堂の屋根、不動堂の屋根、渡り廊下の屋根。。。それぞれのお堂に見合った、ご自慢の帽子。
山腹の急斜面に作られた尾道の町では、このように上からお堂を見下ろす場面にしょっちゅう出くわします。どのお堂も屋根が大変美しいのは、そういったシチュエーションを見越してのことなのかもしれません。

三重塔と尾道鑑賞

石段を上がりきったところに建っていたのは、朱塗りの大きな三重塔でした。
そこは、境内の一番高い場所。尾道の町が最も美しく見える場所です。
“見なよ、この美しい町並み”三重塔が促します。
眼下に広がっていたのは、さっき石段に腰掛けていた時よりも、ずっとずっと大きくなって見える尾道の風景。“わぁ”思わず声が出ます。
遠くには、なだらかな山並み。近くには、のどかな町並み。のんびりと間を行く尾道水道。
僕と三重塔。仲良く並んで、尾道鑑賞。

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