訪問日:2006/09/17
石山寺は、その名の通り石の山があるお寺です。もっとも、石といってもかなりの巨岩です。巨岩が連なり積み重なって、奇景とでも表現したくなるような不思議な光景を作り出しています。
この石山の真正面に立つと、ちょうどてっぺんに国宝の多宝塔の姿が見えます。これが、岩山に立ち悠然と羽ばたこうとする猛禽のようにも見えて、とてもカッコいいのです。
一度見たら忘れられない印象深い光景。何度見ても圧倒される素晴らしさ。何時間でも、時を忘れて眺めていられます。
何度訪れても思うのが、本堂の形って一体どうなってるんだろうということです。大きな大きなお堂だということはわかるのですが、その全景を把握できるようなポジションがなかなか見つかりません。いろんなところから眺めて、その形を推測するしかないのです。
横から見ると、二つのお堂がドッキングしたような不思議な形をしていることがわかります。真下に立つと、懸造りになっていることがわかります。
でもやっぱり、全体でどんな形をしているのかはよくわかりません。ただ、どこから見ても独創的で力強く、そして素朴な味わいを持つこの本堂は、大層魅力的です。別に全体の形なんてどうでもいいな、なんて気になってきます。
ご本尊は秘仏になっていて厨子が開扉されることはほとんどありませんが、内陣では他にもたくさんの仏さまを目にすることができます。全体的に庶民的な雰囲気のお寺ですが、この内陣はとても神秘的。薄暗い中、不思議な魅力を持った仏さまがずらっと並んでいらっしゃいます。
お堂の一番奥に大きな毘沙門天が構えて立っています。昔から大好きだった仏さまです。ご本尊を見ることが出来ない分、一番奥に巨躯をいからせて堂々と立っていらっしゃるこの仏さまが、僕にはこのお堂の主のように思えます。
いつも自信たっぷり。見ているだけで、身体の奥から元気が湧いてきます。
石山寺のシンボル、国宝の多宝塔。
初めに岩山の上に建つ猛禽類のごときと書いたのですが、間近で見てもその姿はやはり優雅で力強く、逞しく自然を生き抜く猛禽という表現がピッタリだなと思うのです。
塔の中を覗きこむと、薄暗い中に艶やかな色の残った大日如来像の姿がぼんやりと浮かび上がります。柱や壁にも彩色が残されていて、外だけでなく中も大変美しい世界が広がっていることがわかります。暗闇の中の彩色の世界。その妖しさは、いかにも密教の匂い。
この日は、傘を差さずともしのげる微かな小雨。こんな暗い空の日には、塔内の世界は一際妖しい光を放っているように見えます。
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