道成寺(和歌山県川辺町)

訪問日:2005/04/08

桜満開、笑顔も満開

朱色の山門をくぐると、わいわいがやがや、賑やかで楽しげな境内が広がっていました。この日はお日柄もよく、絶好のお散歩日和。桜の花も満開で、お花見で盛り上がっている人たちがそこかしこに見受けられました。さらには小さな子供たちが走り回っていたり、おばあちゃんが集まって世間話に盛り上がっていたり、それはお寺というよりもどっかの公園のようでした。
そう、道成寺って“お寺はみんなの遊び場なんだよ!”と言ってくれるような、そんな愉快なお寺だったんですよ。

大人の紙芝居に酔いしれる

境内の一画に縁起堂という建物があります。この中にある大広間で、道成寺ゆかりの伝説・安珍清姫の物語を絵巻を使って解説してくれます。これが、もう楽しいのです。
まず大広間のでっかい絨毯の上にたくさんの人が腰を下ろして話を聞くというシチュエーションが楽しいし、そこで聞く冗談いっぱいの語り口がまた楽しいし、何よりも安珍清姫の物語そのものが楽しい。楽しい尽くしです。
それは、さながら大人の紙芝居。みんな童心に帰ったかのように、心の底から大笑いでこのお話を楽しんでいました。

文字通りの極楽だった

さて、縁起堂と渡り廊下でつながっている大宝殿という建物に、何の予備知識もなくふらっと入ったらこれが凄かった。たくさんの仏像が四方の壁にズラッと並んでいました。文字通りの壮観です。
たくさんの仏さまに囲まれるというのは、それだけでなんだか気持ちのいいものです。しかも床がふわふわの絨毯敷きになっていて、ぺたんと腰を下ろして見ることが出来るのです。これって本当に極楽です。こんなに幸せでいいのかしらって思うくらい。
ここにあるのは、軒並み国宝や重文の仏像ばかりだったのですが、そんな貴重な寺宝でも気軽に見てっていいよというスタンスが僕はとても嬉しかったのです。

秘仏だってほのぼのしてる

実はこの日は、33年ぶりに公開されるという秘仏・千手観音像の公開期間中でした。
この仏さまは本堂の中で公開されていたのですが、何が驚いたといって、まったく拝観料がいらなかったことには心の底からビックリしました。境内に入るのも自由なら本堂に上がるのも自由、そして仏さまのお顔を見るのも自由なのです。
だから、近所から遊びに来たような子供が平気で走り回って、秘仏には目もくれず走り抜けていったりします。
けど、それが道成寺。久しぶりに外の空気に触れた仏さまも、どこかほのぼのとしているように見えましたよ。

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