高野山壇上伽藍(和歌山県高野町)

訪問日:2005/02/20

見渡す限りの白

壇上伽藍の金堂の傍らで、雪ダルマを作っている親子連れがいました。お父さんが大きな雪ダルマ、子供が小さな雪ダルマ。こんな雪国のような光景を見るのは、久しぶりのことでした。
この日の高野山は大雪。見渡せば色を隠すかのように一面の白。建物の屋根にも木の枝にも、どっさりと雪が積もっています。
遠くで雪かきをしているお寺の人が、静かな境内の中美しい点景となって僕の目に映りました。

高野山のパワーの源

壇上伽藍の中心に、ひときわ大きな塔がそびえ立っていました。びっくりするような大きな塔です。明るい朱に彩られ、二層の屋根を大きく広げて、堂々たる威厳に満ちていました。
この自信たっぷりの塔、名前を根本大塔といいます。広大な敷地を持つ高野山のシンボルモニュメントです。
なるほど、この塔ならきっと高野山を守ってくれるに違いないと思いました。時には大らかな包容力で優しく包んでくれそうであり、時には力強い逞しさで外敵から守ってくれそうです。
高野山全域に漲る力強いパワーの源が、なんとなくわかるような気がしました。

かげろうのような西塔

境内を更に奥に歩いていくと、根本大塔と同じ多宝塔形式の塔が建っていました。けれども、根本大塔に比べて小さく色あせたその姿は、どこか寂びた匂いを漂わせた渋い雰囲気を持っていました。
こちらの塔は、名前を西塔といいます。
塔の色が白っぽいので、遠くから眺めると雪の色に埋もれて幻影のようにゆら〜と立っているように見えます。まるで根本大塔の圧倒的な存在感に逆らうかのように、かげろうのような希薄な存在感を醸し出しています。
実は、壇上伽藍で最も気に入った建築が、この西塔でした。不思議なオーラを放つ、高野山の名バイプレイヤーです。

建物美術館

境内には他にも金堂や不動堂、東塔や御影堂など、個性的な建物がたくさん建っていました。作られた時代もバラバラなら、大きさも個性も役割もバラバラ。けれど、どの建物も一つ一つ丹念に見入ってしまう魅力的なものばかりで、まるで建物美術館のようだと思いました。

帰りにもと来た参道を通ると、先に雪かきをしていたお寺の人がまだ丁寧に作業を行っていました。聖地に対する強い想いが伝わってくるような光景でした。

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