高野山奥の院(和歌山県高野町)

訪問日:2005/02/20

雪の高野山

子供の頃、真新しい雪を踏みしめた時のサクサクとした感触が大好きでした。雪が積もると、雪ダルマや雪合戦で遊んでいる他の子を尻目に、一人で雪を踏んで遊んでいたものです。

この日の高野山は一日中雪。傘を持っていなかった僕は、全身に雪を浴びながら奥の院の長い参道を歩きました。
人の通らない真新しい雪の積もる脇道を選んで歩きながら、子供の頃大好きだったあの感触を思う存分楽しみました。

歩けどもお墓

参道の両脇では、年輪を感じさせる背の高い杉が木立を形成し、空を覆い隠していました。その木立の隙間を埋めるように、たくさんのお墓が建ち並んでいます。歩けども歩けどもお墓です。
古いお墓、新しいお墓。四角いお墓、まぁるいお墓。おっきいお墓、ちっさいお墓。人間と同じ、お墓にもさまざまな個性があります。
結果として、墓地の中を突っ切って歩くことになるのですが、不気味という感じはまるでなくて、澄み切った静謐の中に佇む墓石の数々を見ていると、どこか爽やかな気持ちにさえなるのでした。

お堂を照らす暗い光

奥の院の中心となる建物が燈籠堂です。名前の通り部屋のあらゆるところを燈籠が埋め尽くしていました。
どの燈籠もほの暗い光を発していて、光を放つというよりも光を身籠っているという風に見えました。それは、あたかもこの光が燈籠を奉納してくれた人々の想いのすべてであり、決してこの光を逃してはならないと燈籠が必死に抱え込んでいるかのようでした。
お堂の中心では、たくさんの暗い光に見守られながら、お坊さんが低い声でお経を読んでいました。なるほど、聖地ってこういうことなんだな、と思わせるに相応しい神秘的な光景でした。

賑やかで楽しい一面も

この後、壇上伽藍から金剛峯寺へと行ってみたのですが、奥の院が最も賑わっているような気がしました。
神秘的な空間ではあるのですが、人もいっぱいお墓もいっぱい、杉の木もいっぱいで、思いのほか楽しいところでもありました。
あんまり楽しかったので長居してしまいそうになり、あやうく他を回れなくなるところだったんですよ!

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