訪問日:2005/09/04
広〜〜〜〜いっ!! 目がまん丸になりました。
園内に入って、まず目に飛び込んできたのが海みたいに大きな池。池の周囲には、ところ狭しとひしめき合う松の木たち。遠くに見えるなだらかな山。
どこに立っても、壮大な光景が広がっています。養翠園、和歌山を代表する大名庭園です。
実は僕がいた間、園内はずっと一人ぼっちでした。誰もやってきません。
やった、ひとりじめだ! そう思いましたね。
そこから先は、それこそこの庭園を作り上げた殿様にでもなったような気分で、ゆっくりと時間をかけて広大な園内を一周したんですよ。
園内にはたくさんの松の木が、ところ狭しと植えられていました。松って、いろんな角度に枝がかくっと曲がっていたりして、とっても面白い。人の姿に見えるものもあるし、鹿のツノみたいなのもあります。自然の作り出す、愉快な芸術作品です。
園内は始終僕一人だったんですけど、賑やかに思い思いのポーズをとる松の木たちのおかげで寂しい思いなんてまったくありませんでした。
子供の頃は松なんておじいちゃんの愛でるような木だとばかり思っていたんですけど、この躍動感は絶対に若者向きだよなぁ、なんて思ったりしました。
折からの台風接近で、暗い雲が空一面を覆っていました。
表現としては“不気味に静まり返っていた”というのが適切な気もするんですけど、先にも書いたように僕には寂しい気持ちは全くありませんでした。なにしろこのスケールの大きさは、天候の悪さなんて物ともしない、胸の空くような気持ちよさなのです。
最高に気持ちよかった瞬間は、池の真ん中を通る石の通路に座って、園内をぐるりと見渡している時でした。西日照らす水面がきらきらと輝いて、とてもきれいでしたよ。
養翠園の池には和歌浦の水が取り入れられています。いわゆる汐入の池なのです。
園内では、ほのかに潮の香りがしているんですよ。慣れてくるとほとんど感じないくらいかすかなものだったんですけど。
目には広大な光景、肌には心地よい潮風、耳にはさわさわと揺れる松の葉音、そして潮の香り。五感すべてに美しい養翠園。文句なしの名庭園です。